ブルーノ・フェルナンデスは、現在マンチェスター・ユナイテッドで活躍を続けるミッドフィルダーである。積極的なプレーを好み、持ち前のクオリティによって多くのチャンスを作り出す。この記事ではそんなフェルナンデスについて紹介していきたい。
基本情報・成績
| 生年月日 | 1994/09/08 |
| 国籍 | ポルトガル |
| 身長 | 179cm |
| ポジション | MF/FW |
| 利き足 | 右 |
飛躍までの道のり
フェルナンデスは、ユースキャリアをポルトガルのボアヴィスタでスタートし、2012年にイタリアのセリエBのノヴァーラに移籍した。ノヴァーラでの活躍により、翌年にはセリエAのウディネーゼに移籍。そこで3シーズンをプレーしたのち、同リーグのサンプドリアに移籍してさらに経験を積んだ。
2017年、フェルナンデスはポルトガルのスポルティングCPに加入し、ここで大きな飛躍を遂げた。彼はクラブでの3シーズンで、ポルトガルリーグの年間最優秀選手に2度選ばれ、タッサ・デ・ポルトガルとタッサ・ダ・リーガの優勝に貢献した。また、2018-19シーズンには、欧州の全ミッドフィールダーの中で最多となるシーズン33ゴールを記録するなど、素晴らしい活躍を披露した。
ユナイテッドでの活躍
2020年1月、フェルナンデスはイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍した。この移籍金は最大で8000万ユーロに達し、当時ポルトガル国内から移籍する選手としては2番目に高額であった。ユナイテッドではすぐに中心選手となり、プレミアリーグの月間最優秀選手に複数回選ばれるなど、その影響力を示した。彼はマンチェスター・ユナイテッドをFAカップやEFLカップの優勝に導き、現在はキャプテンとしてもリーダーシップを発揮している。
代表キャリア
国際舞台でも、フェルナンデスはポルトガル代表として輝かしい経歴を持つ。2017年に代表デビューを果たし、2018年のFIFAワールドカップや2022年のカタールワールドカップにも出場した。彼は2019年のUEFAネーションズリーグ決勝で優勝を果たし、チームの主要なメンバーとして活躍を続けている。
プレースタイル
ここからは、ブルーノ・フェルナンデスのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。そのプレースタイルは主に創造性と技術、リーダーシップ、そして勝利への強いメンタリティによって形作られており、攻守にわたる貢献度が非常に高い。
ポジショニングとスペースの活用
フェルナンデスの最大の強みの一つは、その卓越したポジショニング能力である。彼はピッチ上で「ハーフスペース」と呼ばれる、センターバックとサイドバックの間のスペースに位置することが多い。このハーフスペースは、中央やサイドよりも守備が薄くなりやすいため、彼がボールを受けるのに最適なエリアとなる。ここでボールを受けると、彼は中盤の選手やサイドのウィンガー、さらに前線のストライカーとも容易に連携が取れるため、攻撃の起点として機能する。
また、フェルナンデスはボールを受けた後、すぐに空いているスペースを探し、次の動きを常に考えている。例えば、相手のセンターバックを引き出し、守備のラインにギャップを作ることで、味方のフォワードがそのスペースに走り込むチャンスを作り出すことができる。守備側がフェルナンデスを追わない場合でも、彼はスペースと時間を得て、味方へのパスやシュートを狙うことが可能となる。このポジショニングの柔軟性と的確さが、彼を攻撃面で非常に危険な存在にしている。
創造性とキラーパス
フェルナンデスは、非常に高い創造力を持つ選手であり、特に相手の守備を切り裂く「キラーパス」の精度が際立っている。彼は試合中、常にピッチ全体を見渡し、相手ディフェンスの隙間を見つけて決定的なパスを供給することを狙っている。
彼のパスはしばしばリスクの高いものであるが、それが成功すればチームにとって決定的な場面を作り出す。多くの選手はミスを恐れて安全なプレーを選ぶが、フェルナンデスは常にリスクを冒し、攻撃のチャンスを模索し続ける。この積極的な姿勢は、他のクリエイティブなミッドフィルダー以上のものである。ミスが続いても彼は決して怯まず、次のプレーで再びチャンスを狙う。このメンタリティは、しばしば試合の流れを変える力を持つ。
リーダーシップと勝利へのメンタリティ
フェルナンデスは単にテクニックやパスの精度だけで評価される選手ではない。彼はチームの精神的なリーダーとしての役割も果たしている。マンチェスター・ユナイテッドでは、しばしば彼のリーダーシップが試合の流れを左右する要因となっている。彼はピッチ上で常に全力を尽くし、味方選手を鼓舞し続ける。プレス時には先頭に立ってボールを追い、守備ではチームのために必要なファウルを犯してでも相手のカウンターを止める。このような姿勢は、チーム全体に勝利への意欲を植え付け、フェルナンデスを信頼できるリーダーとしての地位を確立している。
フェルナンデスは「勝者のメンタリティ」を持つ選手であり、その姿勢は試合のあらゆる場面に反映されている。彼は失敗を恐れず、むしろそれを糧に次のチャンスを狙い続ける。彼のような選手がいることで、チーム全体が引っ張られ、試合の重要な局面での決定力が向上する。
守備への貢献
フェルナンデスは攻撃的ミッドフィールダーとして知られるが、守備においても非常に重要な役割を果たしている。特にプレス時には、相手のパスコースを素早く読み、先手を打って相手にプレッシャーをかける。また、彼は自ら相手のカウンターを止めるために後方へ戻り、守備的な役割も積極的にこなす。このようなハードワークは、彼が単なる攻撃的プレーヤーではなく、チーム全体のバランスを保つためのキープレイヤーであることを示している。
ペナルティキックの精度
フェルナンデスはペナルティキックの名手でもあり、これまで滅多に失敗していない。彼のペナルティキック技術は、シュート前に軽く跳ねる動作や、最後までゴールキーパーの動きを見極める姿勢が特徴である。このスタイルにより、相手ゴールキーパーの動きを見てから逆方向にボールを蹴り込む冷静さを持ち、チームにとって確実な得点源となっている。
プレー動画
まとめ
ブルーノ・フェルナンデスは、その高い創造性とリーダーシップにより、マンチェスター・ユナイテッドの攻守両面で欠かせない存在である。彼のポジショニングの的確さやリスクを恐れないキラーパス、そして勝者のメンタリティは、チーム全体を鼓舞し、試合の流れを大きく変える力を持っている。さらに、守備やセットプレーにおいても多大な貢献をしており、彼の存在はチームの成功に直結している。フェルナンデスはまさに、モダンなミッドフィールダーとしての全ての要素を兼ね備えた選手である。
