ダニ・オルモは、スペイン出身のアタッカーである。複数の国・クラブを経験してきた彼は、2024-25シーズンより古巣のバルセロナに復帰。その高いスキルでチームに貢献することが期待されている。この記事ではそんなオルモについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 1998/05/07 |
国籍 | スペイン |
身長 | 179cm |
ポジション | MF/FW |
利き足 | 右 |
キャリア初期
オルモは幼少期にエスパニョールのユースチームに所属し、9歳からはバルセロナのラ・マシアに加入。しかし、より早くトップチームでの出場機会を得たいという希望から、16歳でクロアチアのディナモ・ザグレブに移籍するという大胆な選択をした。
ディナモ・ザグレブでオルモは順調に成長を遂げ、2015年にトップチームでデビューを果たす。ディナモ・ザグレブでは公式戦124試合に出場し、34得点を記録したほか、リーグ優勝5回、カップ戦優勝3回に貢献。オルモはここで多くの称賛を集め、クロアチアリーグの最優秀若手選手や最優秀選手に選出されるなど、個人賞も数多く獲得した。また、欧州リーグ戦でもその実力を示し、UEFAヨーロッパリーグやチャンピオンズリーグで重要なゴールを記録している。
ライプツィヒへの移籍
2020年1月、オルモはドイツ・ブンデスリーガのRBライプツィヒに移籍し、新たな挑戦を開始した。ライプツィヒでは4シーズン在籍し、計148試合で29ゴール・34アシストを挙げたほか、DFBポカールでは2021-22シーズンと2022-23シーズンに優勝を果たした。また、2023年の国内スーパーカップではハットトリックを達成し、バイエルン・ミュンヘンを破る見事な活躍を披露。ライプツィヒでのプレーを通じてオルモは更なる技術向上を遂げ、ドイツ国内外でその名を知られる存在となった。
バルセロナへの復帰
2024年8月、オルモは少年時代を過ごしたクラブであるバルセロナに復帰を果たす。約6000万ユーロとされる移籍金で6年契約を結び、ファンを熱狂させた。
移籍当初はリーグの給与キャップ規制により、すぐには登録・出場できず。しかし彼は第3節のラージョ・バジェカーノ戦でデビューを果たすと、そこから3試合連続でゴールを記録する見事なスタートダッシュを切った。
スペイン代表キャリア
代表キャリアに関しても、オルモの実績はすでに素晴らしいものがある。2019年、彼はU-21スペイン代表としてUEFA欧州選手権で優勝し、3ゴールを決めて決勝のマン・オブ・ザ・マッチに選出。また、2020年には東京オリンピックに出場し、銀メダルを獲得している。
A代表デビューは2019年であり、その後UEFA EURO2020、2022年FIFAワールドカップ、EURO2024といった主要大会に出場。特にEURO2024ではスペインの優勝に貢献し、3得点を挙げて得点王にも輝いた。
プレースタイル
ここからは、オルモのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼は様々な攻撃的ポジション・エリアでハイレベルなプレーが可能であり、その柔軟性と創造性でもってチームに多大な影響をもたらす選手である。
確かな技術力・判断力
オルモはラ・マシア仕込みの高い基礎技術を有しており、ドリブル、パス、シュートといった各種技術の精度が高い。加えて判断スピードが速いため、少ないタッチで素早くプレーする傾向にあるのが特徴的だ。これにより、彼は狭いスペースでも正確なボールコントロールから適切なパスやシュートを選択することができ、特にワンタッチで相手守備を切り崩すプレーが得意である。
また、近年のオルモはゴールへの意欲が増しているようで、両足によるペナルティエリア内外からの強力かつ正確なシュートでネットを揺らす。EURO2024では得点王に輝き、バルセロナではデビュー直後に3試合連続ゴールを記録するなど、フィニッシャーとしても多いに期待される存在だ。
ポジションの多様性
技術とインテリジェンスを兼ね備えたオルモは、柔軟にポジションを取ることができる。そのため攻撃的ミッドフィールダーに加え、左右のウイングやインサイドハーフとしてもプレーが可能で、必要に応じてフォルスナイン(偽9番)としても起用される。いずれのポジションにおいても、スペースを見つけてボールを受け、先述したスキルを活かして効果的にチャンスメイクを行うというのがオルモの得意パターンだ。
戦術的な役割
オルモのプレースタイルは攻撃的といえ、後方に下がってゲームメイクに深く関与するよりも、前方で受けたボールを積極的にチャンスに繋げるプレーに重点を置いている。そのため、バルセロナの戦術によっては、もう少しポゼッションへの関与を求められる可能性もあるだろう。
一方、オルモはプレッシングの意識が高く、守備面での貢献も期待できる選手だ。そのため、バルセロナのように前線からのプレスを重視するチーム戦術に適していると考えられる。
ウィークポイント
比較的細身の体格であるオルモは、ボディコンタクトを得意にはしていない。そのため、相手が強いプレスをかけてきた際にはボールを奪われやすい。基本的に彼は相手のプレッシャーを躱すテクニックを十分に身に付けてはいるが、フィジカル・インテンシティの強力な相手選手には注意が必要だ。
また、フィジカル的な原因もあって負傷リスクが高く、ライプツィヒ加入以降は怪我で試合を欠場する頻度が高い。したがって、バルセロナにおいても過密日程の中で安定した出場機会を得るためには、コンディション管理が重要な課題となるだろう。
プレー動画
まとめ
ダニ・オルモの復帰は、バルセロナにとって攻撃陣の柔軟性と創造力を強化する重要な補強である。また、バルセロナのアカデミー出身である彼は、クラブの哲学やスタイルを熟知しており、チーム戦術・環境への適応も比較的スムーズに行えると予想される。ビッグゲームに強い彼が期待通りのパフォーマンスを披露できれば、バルサのタイトル獲得にも大きく貢献できるだろう。