ドウグラス・ルイスのプレースタイルを徹底解説:アクティブなパスと動きでチームを活性化させるMF

選手紹介

ドウグラス・ルイスは、ブラジル出身のミッドフィールダーであり、その技術力とダイナミックなプレーでチームにダイナミズムをもたらす選手である。この記事ではそんなルイスについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日 1998/05/09
国籍ブラジル
身長177cm
ポジションMF
利き足

キャリア初期

ルイスは14歳でヴァスコ・ダ・ガマのユースチームに加入し、2016年にプロデビューを果たした。当時、ヴァスコ・ダ・ガマはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエBに所属していたが、ルイスの活躍によりチームは1年でセリエAへの昇格を果たす。ルイスは2017年にセリエAデビューを飾り、その年の夏にはイングランドの強豪マンチェスター・シティと5年契約を結んだ。しかし、労働許可証の問題によりシティでプレーすることができず、スペインのジローナへ2度にわたってレンタル移籍された。ジローナではラ・リーガで計38試合に出場したが、目立った活躍は残せなかった。

アストン・ヴィラでの成功

2019年7月、ルイスはアストン・ヴィラに移籍し、プレミアリーグで本格的な成功を収める。ヴィラでは5シーズンを過ごし、2023-24シーズンにはリーグ戦35試合で9ゴール・5アシストを記録。彼の活躍により、アストン・ヴィラは40年以上ぶりにUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。また、2022-23シーズンにはサポーターとチームメイトから「年間最優秀選手」に選ばれるなど、クラブ内でも絶大な信頼を得た。

ユヴェントスへの移籍

2024年6月、ルイスはユヴェントスに移籍し、5年契約を結ぶ。移籍金は5000万ユーロで、アストン・ヴィラが財政規則を遵守するための決断であった。ユヴェントスでのデビュー戦はスタッド・ブレストとの親善試合であり、途中出場ながらアシストを記録し、早くも新天地での存在感を示した。

ブラジル代表キャリア

ブラジル代表としては、U20およびU23の各年代でプレーし、2019年にフル代表デビューを果たした。2020年の東京オリンピックではブラジル代表の一員として金メダルを獲得し、代表キャリアにも新たな栄光を加えた。また、2021年にはコパ・アメリカにも出場し、準優勝を経験している。

プレースタイル

ここからは、ドウグラス・ルイスのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは特に中盤から前線にかけて大きく影響を与えるものであり、また守備面でもその積極性が評価されている。

攻撃面の特徴

ドウグラス・ルイスは攻撃時における重要な役割を担っており、特にセットプレーではその存在感が際立っている。彼はアストン・ヴィラ時代において、フリーキックやコーナーキックのキッカーを務め、多くのアシストを記録してきた。2023-24シーズンではリーグ戦で5アシストを記録し、うち多くはセットプレーから生まれたものである。特にコーナーキックでは、相手ゴールを直接狙うかのような精度の高いボールを供給し、得点チャンスを演出してきた。

また、ルイスはミッドフィルダーとしては高い得点能力を持ち合わせており、同シーズンには全公式戦で10ゴールを挙げている。彼の得点の多くはペナルティキックからではあるが、試合の流れの中でもゴール前に進出し、得点機会を作り出す動きを見せる。特に、ゴール前での時の動きが優れており、敵陣深くに侵入してチームの攻撃に絡む場面がしばしば見られる。この「ボックス・トゥ・ボックス」型としての側面は、彼がオールラウンドなプレーヤーと評価される要因となっている。

また、ルイスはパスの質も高く、特に中盤から前線への「プログレッシブパス」によって相手の守備を崩す能力がある。加えて彼のパスは短距離から長距離まで正確であり、特にボールを左右に散らすことでチームの攻撃をスムーズに展開させる。そのため、アストン・ヴィラではパスの頻度と成功率でチーム内トップクラスの成績を残していた。

守備面の特徴

ドウグラス・ルイスは攻撃面だけでなく、守備面でもチームに貢献する選手である。彼の守備における最大の強みは、ボールを失った直後の「カウンタープレス」である。相手が攻撃を開始する前に素早くプレッシャーをかけ、ボールを奪い返すことでチームの攻守の切り替えをスムーズに行う。このプレースタイルは、特に高い位置でのボール奪取に成功するケースが多く、攻撃の起点となることも多い。

また、彼はタックルの成功率も高く、アストン・ヴィラでは多くのタックルを成功させた選手の一人であった。しかし、その積極性ゆえに、ファウルや警告を受ける場面も少なくない。実際、同シーズンではチーム内で最も多くのイエローカードを受けており、守備面での粗さが課題とされることもある。

戦術適応と課題

ドウグラス・ルイスはこれまで、様々な監督の下で異なる役割を担ってきた。アストン・ヴィラでは主に4-4-2の左ボランチとして起用されていたが、現在のユヴェントスでは新監督チアゴ・モッタの下で4-2-3-1のシステムに適応しようとしている。モッタの戦術において、中盤の選手にはボール回収と攻撃の起点作りが重要視されるが、ルイスはその戦術にまだ完全には馴染んでいない。

ユヴェントス移籍後、2024年10月時点では出場機会が限られており、また試合でのパフォーマンスも期待以下の状況が続いている。例えば、2024年10月に行われたカリアリ戦では92%のパス成功率を記録したものの、多くのパスが後方や短距離であり、試合の流れに大きな影響を与えることができなかった。彼の強みである中長距離の積極的なパスやダイナミックな動きが制限されている点が課題となっており、モッタのシステムに適応するためには、さらなる時間と戦術的な理解が必要とされているところだ。

プレー動画

まとめ

ドウグラス・ルイスは、ユヴェントスにおいてまだその真価を発揮できていないが、彼のポテンシャルを考えれば今後の活躍が期待される選手である。特に、彼の持つ攻守にわたるアグティブなプレースタイルは、ユヴェントスの中盤を強化するための大きな武器となり得る。モッタ監督の戦術に完全に適応し、自身の特徴をより効果的に発揮できるようになれば、チームにとって非常に重要な存在となれるだろう。

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