エドゥアルド・カマヴィンガのプレースタイルを徹底解説:攻守のスキルに長けた超有望ミッドフィルダー

選手紹介

エドゥアルド・カマヴィンガは、現在レアル・マドリードに所属するミッドフィルダーである。若くしてトップレベルでのプレーを続けている彼は、世界屈指の有望選手として高い評価を得ている。この記事ではそんなカマヴィンガについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2002/11/10
国籍フランス
身長182cm
ポジションMF
利き足

キャリア初期

2013年、カマヴィンガは11歳でレンヌのユースチームに加入し、2018年には16歳でプロ契約を締結した。翌年4月にレンヌのトップチームでデビューすると、8月にはリーグアン最年少アシスト記録を樹立し、リーグアンの月間最優秀選手賞も受賞。この頃からその卓越したボールコントロール、タックル、展開力などが際立っており、欧州中のクラブから関心を寄せられた。

レアル・マドリードへの移籍

2021年、カマヴィンガはスペインのレアル・マドリードへ加入。 この取引には3100万ユーロの移籍金が必要となったが、カマヴィンガはデビュー戦で早速ゴールを記録するなど、当初からその期待に見合うポテンシャルを見せつけた。2021-22シーズンはチャンピオンズリーグとリーガ・エスパニョーラの二冠に加えてスーペルコパを獲得し、翌2022-23シーズンにはUEFAスーパーカップ、FIFAクラブワールドカップ、そして国内カップを制覇。早くも主要タイトルのすべてを手中に収めたが、その後もレアルでタイトル獲得に貢献し続けている。

また、2023年11月にはクラブとの契約を2029年まで延長。レアルの将来を担う戦力として大きな期待が寄せられている。

フランス代表キャリア

フランス代表としても、カマヴィンガは若くして台頭している。 2020年9月、彼は17歳9ヶ月29日(17歳303日)の若さでフランスA代表デビューを果たし、同国代表における最年少記録を更新。また、同年10月には代表初ゴールも記録し、こちらも最終年少得点記録として注目された。その後、彼は2022年のFIFAワールドカップ、2024年の欧州選手権にも出場。今後はフル代表の中心選手の一人として、フランスにもタイトルをもたらす活躍が強く期待されるだろう。

プレースタイル

ここからは、カマヴィンガのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。多才さと柔軟性を持つ彼は、クラブおよび代表チームにて戦術的なオプションを広げており、複数のポジションで重要な貢献を果たしている。

技術的特徴

カマヴィンガのプレーは守備において優れたスタッツを叩き出しており、特にタックル成功率やインターセプト数、地上戦での勝率が非常に高い。また、攻撃に関してもボールを持ちながらのプレッシャー回避能力が秀逸。正確なボールコントロールと敏捷性で相手のプレスを巧みにかわし、中でも相手の股を抜いて突破するプレーは十八番だ。このプレス耐性により、彼は中盤で積極的に前を向くことで、ボールを前方へと解放することが可能となる。

また、長短のパスキーパスを効果的に使い分け、攻撃の起点となる場面も少なくない。このように、カマヴィンガは攻守両面でチームに貢献できる多機能型ミッドフィルダーとしての素質を十分に示している。

多様なポジション適応力

カマヴィンガは主に3つのポジションで起用されることが多い。1つ目は左寄りのインサイドミッドフィルダー、2つ目はシングル・ピボット(アンカー)、そして3つ目が左サイドバックである。特にインサイドミッドフィルダー(インサイドハーフ)としての起用が最も多く、このポジションでこそ彼の能力が最大限に引き出されると評価されている。左寄りのポジションに立つことで、彼は攻撃面でも守備面でも優れた動きを見せ、チームに多大な貢献をしているのだ。

インサイドミッドフィルダーとしての特性

左インサイドハーフとしてのカマヴィンガは、精力的なオフ・ザ・ボールの動き、同サイドのヴィニシウス・ジュニオールとの連携によるサイド攻撃など、その強みを幅広く発揮する。このポジションで起用される際、彼はしばしば左サイドバックのエリアまでカバーするなど、試合の状況に応じて柔軟に動き回ることが可能。また、ビルドアップ時には積極的にボールを持ち上がり、相手ラインを突破する役割を担うため、中盤からドリブルによる果敢な攻撃参加ができる。これにより彼は攻撃のスイッチを入れ、局面を一気に押し進めるのだ。

シングル・ピボット(アンカー)としてのプレー

カマヴィンガがシングル・ピボット、いわゆるアンカーとして起用されることもある。このポジションで特に重要視されるのは、彼の守備力だ。カマヴィンガは守備時に優れたタックルとインターセプト能力を発揮し、チームのディフェンスラインの前に構えて相手の攻撃を食い止める役割を担う。

しかし、ボールを運び出すビルドアップの局面ではアンカーとしての正確なプレー判断が十分でなく、相手のプレッシャーに対して若干の脆さが見られるため、現時点ではチームメイトの適切なサポートが不可欠だ。例えばトニ・クロースがいた時には、クロースがバックラインに下がってボールを受け、展開をサポートするといった動きが多く見られた。こうした流動的な役割分担がカマヴィンガの弱点を補っており、こういう形であればシングル・ピボットとしても十分なパフォーマンスを発揮できる。

左サイドバックとしての役割

カマヴィンガはフランス代表やレアル・マドリードで左サイドバックとしても起用されることがあるが、これは彼本来のポジションではない。本人も「左サイドバックは好まない」との旨を述べているが、チームの戦術的必要性からこの役割を引き受けることがある。

ただし、彼はサイドバックとしても優れたボール奪取力を見せるだけでなく、サイドライン沿いのドリブルなどでビルドアップ時にも持ち前のプレス耐性を発揮。また、このポジションではヴィニシウス・ジュニオールとのコンビネーションが発揮されやすく、カマヴィンガがサイドから攻撃に参加することで、ヴィニシウスがより自由に前線を駆け回るスペースが生まれるのだ。

ウィークポイント

一方、カマヴィンガには改善の余地もある。特に判断能力・戦術理解が課題とされており、チームが特定の戦術に従ってビルドアップを行う際に不安定さが見られる。ボールを持ちたがる傾向があり、しかも左足の依存度が高めのため、プレーの選択や方向が限定されてしまうことが少なくないのだ。

また、そうした状況判断能力の影響もあり、ゲームメイクにも改善の余地がある。性急な縦パスや強引なドリブルによってボールロストを招くシーンがあり、せっかくの卓越した技術的能力をフル活用できていないのが現状だ。

なお、この点についてはレアルマドリードのカルロ・アンチェロッティ監督も指摘しているところであり、カマヴィンガ自身も集中力を高める必要があると述べている。

プレー動画

まとめ

エドゥアルド・カマヴィンガはその守備力、ドリブル能力、柔軟なポジショニングを駆使し、様々な役割でチームに貢献する選手である。彼はインサイドミッドフィルダーとしての適性が最も高いが、チーム事情に応じてシングルピボットや左サイドバックとしても高いパフォーマンスを発揮することができる。いずれにせよ、その高い柔軟性と学習意欲により、カマヴィンガは今後さらに成長を遂げ、クラブと代表チームの両方で欠かせない存在となるだろう。

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