ジョルジョ・スカルヴィーニは、イタリア・キアーリ出身の有望センターバックである。現在はアタランタに所属し、190cmを超える大柄な体格を攻守に活用。そのアグレッシブなプレースタイルは多くの注目を集めている。この記事ではそんなスカルヴィーニについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2003/12/11 |
国籍 | イタリア |
身長 | 194cm |
ポジション | DF |
利き足 | 右 |
キャリア初期
スカルヴィーニは幼少期からサッカーに親しみ、10歳でブレシアのユースチームに加入。その後、2015年にアタランタのユースチームへと移籍し、その才能を順調に開花させた。
アタランタでの台頭
2020-21シーズン、スカルヴィーニはアタランタ・プリマヴェーラ(Uー19)の主力としてプレーし、着実に評価を高めていく。また、アタランタのトップチームの試合でも初めてベンチ入りを果たした。すると、翌2021ー22シーズンには17歳でトップチームにおけるキャリアが本格的にスタート。10月24日にデビューすると、リーグ戦で18試合に出場し1ゴールを記録した。
2022ー23シーズンからは早くもレギュラーに定着。そして2023-24シーズンにはチームのヨーロッパリーグ優勝に貢献している。
順風満帆なキャリアを歩んでいたスカルヴィーニであったが、同シーズンの最終節にて負傷交代。左ひざの前十字靭帯断裂という大怪我を負ってしまう。2024年10月時点ではリハビリ中であり、一日も早い完治と復帰が待たれているところだ。
イタリア代表キャリア
スカルヴィーニのイタリア代表としてのキャリアはU15からスタートし、その後U16、U17、U19と各カテゴリーを通じて経験を積んできた。2021年11月にはU21代表に選出され、2022年にはロベルト・マンチーニ監督の指導のもと、イタリアA代表にも初召集される。同年6月14日のドイツ戦でA代表デビューを果たし、以降は早くもレギュラー候補として台頭。そして2024年のUEFA欧州選手権への出場も有力視されていたが、先述した負傷により出場を断念せざるを得なかった。
プレースタイル
ここからは、スカルヴィーニのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼は優れた読みとポジショニングセンス、そして体格を活かしたアグレッシブなプレーで攻守に貢献するタイプである。
マーキング・インターセプト能力
スカルヴィーニは、相手のパスコースを予測してボールを奪う能力が非常に高い。対面の相手選手をしっかりとマークし、そこにボールが入ったタイミングでアグレッシブな守備を実行。持ち前のフィジカルで相手のプレーを制御しつつ、長いリーチを活かしてボールを奪取していく。
また、スカルヴィーニの積極性は多くのインターセプト数という形でも表れている。2022-23シーズン、2023-24シーズンいずれにおいても彼は1試合平均で2回以上のインターセプトを記録しており、これはリーグトップクラスの数字だ。相手の攻撃を早い段階で潰すことができるため、チームが押し込まれることなく高い位置でボールを奪うのに大きく寄与している。
空中戦
194cmという大柄な体格と優れたポジショニングセンスを併せ持つスカルヴィーニは、ロングボールの処理能力にも長けている。2023-24シーズンには、空中戦関連のスタッツでリーグ上位にランクイン。これは自陣ペナルティエリア内での守備に限らず、高い位置でのハイボール処理の優秀さも示している。後方からの相手のロングボールをしっかりと跳ね返すことで、チームの守備を安定させる役割を担っているのだ。
カウンタープレス
スカルヴィーニはボールを奪われても素早く取り返す力がある。セリエAでも特に攻撃的なガスペリーニ監督のシステムに適応し、ボールロスト直後には鋭いカウンタープレスを実行。これにより、相手に危険な攻撃を許す前にボールを奪い返し、反撃へと転じることができるのだ。
パスとボールキャリー
続いてはボール保持時の特徴についてである。スカルヴィーニはボールコントロール時に若干の固さが見られるときもあるが、基本的なスキルはしっかりと有している。そのため、相手のプレスに対しても焦ることなくボールを動かし、攻撃の起点として機能することが可能だ。
ボール保持時にもスカルヴィーニの積極性は活かされており、果敢なプログレッシブキャリー(ドリブルでボールを前進させること)を実行。その体格と長いストライドを活かし、推進力のあるドリブルを見せる。また、彼はパスを出す判断にも優れ、タイミング良く前方に縦パスを差し込むことも可能である。
積極性な攻撃参加
アタランタではセンターバックにも果敢な攻撃参加が求められており、スカルヴィーニも例外ではない。前方へと積極的に侵入することで、中盤や前線で数的優位を生み出す重要な役割を担う。2023-24シーズンのスタッツを見ても、彼は他のCBに比べてアタッキングサードや相手ペナルティエリア内で多くのボールタッチ数を記録。また、同エリアへとドリブルで持ち運んでいく形も比較的多く、ゴールチャンスを直接生み出すシーンも少なくない。実際、彼はパスによる得点創出アクションがセリエAのセンターバックの中でトップクラスである。
改善の余地
スカルヴィーニは大柄な体格ということもあり、スピードや敏捷性という側面は強みとしていない。また、先述したように縦への積極性なディフェンスは非常に強力である一方、後手に回った際に背後へ抜け出す相手への対応に苦戦する傾向が見られる。したがって、今後はあらゆる状況において安定したプレーを行うようになることが求められるだろう。
とはいえ、上述した点を含む諸々のウィークポイントは、いずれも経験を積むことでカバー・改善が可能と考えられる。何より彼の若さを考えれば、これから完成されたセンターバックへと近づいていくことは想像に難くない。
プレー動画
まとめ
スカルヴィーニは、すでにイタリア国内外のビッグクラブから注目を集めており、彼の能力と将来性に対する評価の高さを物語っている。今後、経験を積んでいく中で更なる成長が予想される選手であり、そのポテンシャルの高さは計り知れない。戦術的柔軟性やプレーの安定性が増すことで、クラブと代表の両方で偉大なキャリアを築いていけるだろう。