ジョン・デュランのプレースタイルを徹底解説:得点特化型の新星ストライカー

選手紹介

ジョン・デュランは、コロンビア出身の有望ストライカーである。2024-25シーズン10月現在、彼は所属しているアストン・ヴィラにて驚異的なペースで得点を積み重ねており、そのパフォーマンスに大きな注目が集まっているところだ。この記事ではそんなデュランについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2003/12/13
国籍コロンビア
身長185cm
ポジションFW
利き足

キャリア初期

デュランは、11歳で地元クラブのエンビガドの下部組織に入り、2019年にトップチームに昇格した。同年2月、コパ・コロンビアでプロデビューを果たし、9月にはリーグ戦で初得点を記録、当時15歳8か月で記録したこのゴールにより、カテゴリア・プリメーラA(コロンビアリーグ)の史上2番目に若い得点者となった。その才能はこの頃から注目されており、2020年には英国『ガーディアン』紙の「世界の若手有望選手60人」にも選出されている。

2021年1月、デュランは米国クラブのシカゴ・ファイアーに移籍。MLSでのデビュー戦は同年2月で、5月には初得点を記録した。当初は得点ペースが上がらなかったものの、シーズン終盤に入るとゴールを量産し始め、最終的には27試合で8得点をマーク。これにより、若手フォワードとしての評価をさらに高めた。

アストン・ヴィラへの移籍

2023年1月、デュランはイングランド・プレミアリーグのアストン・ヴィラへ移籍することに。この移籍に際しては約1475万ポンドの移籍金が支払われ、さらに数百万ポンドのボーナスが含まれていたという。デュランは1月23日に正式加入し、2月にはレスター・シティ戦でプレミアリーグデビューを果たした。8月にはエヴァートン戦で初ゴールを挙げ、さらにUEFAヨーロッパカンファレンスリーグのハイバーニアン戦で欧州大会デビューゴールも記録。2023-24シーズンにはクリスタル・パレス戦で決めたハーフボレーシュートが「シーズン最優秀ゴール」に選ばれるなど、印象的なゴールを重ねた。

すると2024-25シーズンに入ってから、デュランは快進撃を見せる。開幕戦のウェストハム戦で決勝ゴールを挙げた後、3節レスター戦、4節エヴァートン戦でも続けざまに決勝ゴールを記録した。さらに、10月のチャンピオンズリーグではバイエルン・ミュンヘン戦で同大会初ゴールを挙げると、続くボローニャ戦でも得点してチームの勝利に貢献。その直後に2030年までの長期契約を締結した。また、エヴァートン戦のゴールはBBCおよびプレミアリーグの「9月の最優秀ゴール」にも選出され、同月にはアストン・ヴィラの「月間最優秀選手」にも輝いた。

コロンビア代表キャリア

2019年、デュランはコロンビアU-17代表として南米選手権に出場し、2022年9月にA代表デビューを果たした。そして2023年3月、日本戦で代表初得点を挙げると、2024年10月にもチリ戦でゴール。コロンビアのワールドカップ予選勝利に貢献している。

プレースタイル

ここからは、デュランのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。現状、「純粋なゴールスコアラー」としての側面が非常に強いデュランは、ゴールへの執着心と本能的な得点力を兼ね備えており、現代サッカーにおいて理想とされる機能的なフォワード像とはやや異なる魅力を持っている。

得点力と本能的なゴール感覚

デュランの得点力は圧倒的であり、具体的にはチャンスを得点に結びつける精度において際立っている。2024-25シーズン10月時点、彼の1試合平均得点数は「1.12」を記録しており、これは5大リーグにおいてトップ1%に位置する。また、彼の「実際の得点数」から「ゴール期待値」を引いた値は「+0.63」であり、この数字は彼がいかに効率的に得点を記録しているかを端的に示しているものといえるだろう。

デュランの動きはゴールとボールに対して直線的であり、シュートチャンスを求めてゴール前でのポジショニングを常に最適化している点が特徴的だ。また、彼は左足での強力なシュートを得意とし、長距離からのシュートにも果敢に挑む。他方で、右足でのシュートも徐々に改善しつつあり、両足で得点するポテンシャルを持っている。これはシュートの角度やシチュエーションを広げることに役立ち、相手ディフェンスにとって彼のマークを難しくする要因となっている。

フィジカルと空中戦での優位性

デュランのフィジカルの強さも、彼のプレースタイルに欠かせない要素である。190cm近い身長と体格を活かし、空中戦での競り合いにおいても存在感を発揮。50%以上のヘディング成功率を誇り、ジャンプ力と積極的な姿勢で相手センターバックに対して優位に立つことができる。また、彼は空中戦だけでなく、ゴール前で相手ディフェンダーに身体を預けながらもポジションを確保し、得点につなげる能力にも優れている。

シンプルなリンクアッププレー

デュランのリンクアッププレー(ポストプレー)にはまだ発展の余地があり、特に他のフォワードやミッドフィルダーとのコンビネーションは未熟である。彼はボールを受けてからすぐにパスを叩き、その後ゴールに向かって動き始めるというシンプルな動きを繰り返す傾向が強い。このため、エメリ監督の下でスタメンとしてより重要な役割を担うことは少ない。エメリ監督は、チーム全体のポジションやスペースの確保、また他のプレーヤーとの相互連携を重視しており、デュランの単純なリンクアッププレーはチームに求められる基準に達していないのだと考えられる。

ただし、このシンプルな動きには、デュランの純粋なゴールへの執着が表れており、彼は得点機を逃さずゴールへのアプローチを最優先する。このようなスタイルが、エメリ監督の要求に応じて変化することが期待される一方、デュランは「ゴールマシン」としての持ち味を存分に活かし、チームに多くの重要な得点をもたらしているのである。

守備と積極的なプレッシング

デュランは前線からの積極的なプレッシングでも貢献している。彼はフィジカルとアグレッシブなスタイルを活かし、相手ディフェンダーにプレッシャーをかけ続ける。こうしたプレッシングのスタイルは、特に試合後半において相手チームの疲労が見え始めた際に効果を発揮し、相手にミスを誘発する要因ともなっている。デュランは、エアバトルやルーズボール争いにも積極的に関与し、攻守両面でチームに貢献しているのだ。

プレー動画

まとめ

総じて、現状のデュランのプレースタイルは「純粋なゴールスコアラー」としての強みに特化しているといえるだろう。彼は周囲のポジションやスペースの確保といった複雑な戦術要素にあまり関心を持たず、ゴールチャンスの最大化を優先している。しかし、その得点力は正に驚異的である。

デュランの得点本能やパワフルなシュート、フィジカルを活かした競り合いでの優位性は、アストン・ヴィラにとって重要な武器であり、現在は特にスーパーサブとしての役割でチームに勝利をもたらしている。一方で、リンクアッププレーやドリブルスキルの向上にはさらなるトレーニングが求められており、エメリ監督の指導の下でこれらの側面が改善されることで、より完成度の高いフォワードとしての成長が期待されるところだ。

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