ヨナタン・ターのプレースタイルを徹底解説：抜群の安定感を誇る守備の砦

ヨナタン・ターは、ドイツ出身のセンターバックである。現在はバイエル・レバークーゼンとドイツ代表でプレーしており、その安定感のあるパフォーマンスでチームを支えている。この記事ではそんなターについて紹介していきたい。

基本情報・成績

キャリア初期

ターはハンブルクのアルトナ93でサッカーを始め、2009年にハンブルガーSVのユースに加入。2013年にハンブルガーSVでトップチームデビューを果たした。その後、2014年にはフォルトゥナ・デュッセルドルフに1年間の期限付き移籍を経験し、そこで23試合に出場した。

レバークーゼンへの移籍と成功

2015年、ターはバイエル・レバークーゼンに移籍し、クラブと5年契約を締結。この移籍は推定750万ユーロの移籍金で成立し、彼のキャリアに大きな影響を与えることとなる。レバークーゼンで彼は堅実な守備力を活かして中心選手として活躍し、2024年までに同クラブで300試合以上に出場。また、2023-24シーズンにはレバークーゼンのブンデスリーガ初優勝に大きく貢献し、リーグのチーム・オブ・ザ・シーズン（ベストイレブン）にも選出されている。

ドイツ代表キャリア

ドイツ代表としては、U16からU21まで各年代別代表でプレーし、2016年にA代表デビュー。デビュー戦はイングランドとの親善試合で、後半から交代出場した。ターはその後、EURO 2016ではアントニオ・リュディガーの代役として招集されたが、出場機会は得られず。また、ワールドカップでは2018年、2022年の両大会でメンバー選外となったものの、2023年9月頃からはドイツ代表の主力に定着。EURO 2024の代表メンバーにも選出され、レギュラーとしてプレーした。

プレースタイル

ここからは、ターのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは、フィジカルの強さ、判断能力、リーダーシップ、そして冷静なメンタル面に裏打ちされたハイレベルな守備能力に特徴がある。また、ボールの扱いに関しても安定感があり、チームのビルドアップに貢献できるタイプだ。

圧倒的なフィジカルとデュエルの強さ

まず、ターの大きな魅力としてフィジカル面が挙げられるだろう。彼は身長195cmの長身を活かし、空中戦では圧倒的な強さを誇る。クロスボールやセットプレーの際、彼は多くの相手ストライカーに対して優位に立ち、重要な場面でのヘディングによるクリアや得点機会の阻止に貢献。2023-24シーズンにおけるブンデスリーガの試合では、空中戦のデュエルで約74％の勝率を記録しており、その存在感は際立っている。また、彼はその体格を活かした地上戦も得意としており、相手からボールを奪取する際には力強さと精密さを兼ね備えたプレーを見せる。

ポジショニングセンス・判断能力

ターの守備におけるもう一つの特徴は、彼のポジショニングセンスと判断能力である。彼は試合の流れを読んで的確なポジションを取り、相手の攻撃を予測して迅速に対応するプレーが得意だ。

レバークーゼンにて、ターは主に3バックシステムの中央に配置され、両サイドCBの守備を補完する役割を担当。攻撃時に高めのポジションを取る傾向のあるパートナーたち（タプソバやインカピエ）の後方をしっかりとカバーし、守備の最後の砦として機能しているのだ。彼の位置取りの良さと冷静な判断力は、レバークーゼンが攻守のバランスを保ちながら試合を展開する上で欠かせない要素となっている。

攻撃的特徴

さらに、ターは守備だけにとどまらず、攻撃の起点となる能力も持ち合わせている。彼のパス成功率は非常に高く、2023-24シーズンにおけるブンデスリーガでは94.4％を記録。ショートパスに限っては97％と、リーグトップの数値を記録しているのだ。的確な判断の下で行われる正確なパスは、レバークーゼンのビルドアップに安定感をもたらしている。

また、彼はセットプレー時にはゴール前での存在感を発揮し、シーズンを通して得点にも絡んでいる。特にコーナーキックからの得点が多く、2023-24シーズンにはいくつかの重要な場面でゴールを決めていた。

リーダーシップとメンタリティ

リーダーシップもターのプレーにおいて重要な要素である。彼はディフェンスラインを統率し、チームメイトに的確な指示を出すことで、守備組織全体を安定に貢献。そのコミュニケーション能力とリーダーシップにより、チームは守備の破綻を防ぎ、攻撃への迅速な切り替えを可能にしている。監督のシャビ・アロンソもターを「チームの中心的存在」として評価しており、彼のリーダーシップがチームに与える影響は大きい。

また、ターは個人としてのメンタル面も非常に強く、試合のプレッシャーに動じることなく冷静にプレーすることが可能だ。特に、UEFAチャンピオンズリーグや国際試合の大舞台でも、彼はそのメンタルの強さを発揮している。例えば、彼は難しい状況下でも焦らず、相手の攻撃を冷静に処理し、チームの勝利に貢献してきた。そうしたメンタルの強さは彼の安定したパフォーマンスの背景にある重要な要素であり、若手選手にとっても模範となる存在である。

プレー動画

まとめ

ヨナタン・ターはフィジカル、判断能力、リーダーシップ、メンタルの強さといった魅力的な要素を兼ね備えたディフェンダーである。彼のプレースタイルはチームの守備だけでなく、攻撃やチーム全体の統率に至るまで幅広く影響を与えており、その存在感は非常に大きい。円熟味の増した彼のプレーは、今後もチームに多くの利益をもたらすだろう。