ケナン・ユルディズは、現在ユベントスに所属するアタッカーである。わずか18歳にしてユベントスのトップチームに定着した彼は、同クラブのレジェンドであるアレッサンドロ・デル・ピエロとも比較される超有望株だ。この記事ではそんなユルディズについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2005/05/04 |
国籍 | トルコ |
身長 | 187cm |
ポジション | MF/FW |
利き足 | 右 |
キャリア初期
ユルディズは、サッカーキャリアの初期を地元クラブであるヤーン・レーゲンスブルクで過ごし、2012年に7歳でバイエルン・ミュンヘンのユースアカデミーに加入した。バイエルンではU19チームのキャプテンを務め、2021–22シーズンには同カテゴリーにて20試合で6ゴール・8アシストを記録するなど才能を示したが、2022年7月に契約満了。これによりバルセロナとユヴェントスの注目を集め、最終的にユヴェントスと契約を結んだ。
ユベントスへの移籍
ユベントスではまずU19チームでプレーし、続いてリザーブチームであるユベントス・ネクストジェンでプロデビューを果たす。すると2023ー24シーズンからはユベントスのトップチームに定着し、8月にセリエAデビュー。12月には初先発試合でゴールを決め、クラブのセリエA最年少外国人ゴール記録を更新した。
2024年にはクラブとの契約を2029年まで延長し、栄誉ある背番号10を託される。2024-25シーズンも印象的なパフォーマンスを披露しており、同年9月にはUEFAチャンピオンズリーグで初得点。これはクラブ史上最年少でのチャンピオンズリーグ得点記録となった。更に、10月のインテルとのダービーマッチではチームが劣勢の中で途中出場し、2得点を挙げて試合のMVPを受賞するなど、多くの注目と称賛を集めている。
トルコ代表キャリア
ユルディズは若くしてトルコA代表としても活躍している。U17およびU21代表を経て、2023年10月にフル代表デビュー。2024年にはUEFA EURO 2024のトルコ代表メンバーにも選出され、レギュラーとして全5試合に出場している。
プレースタイル
ここからは、ユルディズのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは技術力と創造性を基盤としており、「ナンバー10」の伝統的な役割を受け継ぎつつ、現代サッカーの戦術的要求にも適応した選手だ。攻撃的ミッドフィルダーやセカンドストライカー、ウィンガーなど様々なポジションをこなすことができる。
ドリブル能力
ユルディズの大きな武器の一つといえるのが、精密なボールコントロールから繰り出されるドリブルである。彼のドリブルは足元に吸い付くような滑らかさがあり、シンプルなフェイントやステップだけで相手ディフェンダーを巧みにかわす技術を持つ。また、彼は相手のプレッシャーの中でもボールを保持し、自由自在に扱うことができるため、密集地帯でのボールキープ力や突破力も魅力的だ。積極的な仕掛けによって相手を引き付けることで、チャンスを作り出すことができる。
パス能力
ユルディズのパスと視野の広さも特徴的である。彼はパサーとしての資質を十分に持っており、積極的な縦へのパスで攻撃を加速させる。特に、ボールを受けた際にゴールへの縦パスやスルーパスを迅速に繰り出し、チームメイトに得点機会を提供。相手守備陣の隙を突くような動きを強く意識しており、相手のディフェンスラインを引き裂くような創造的なプレーが可能である。
シュート能力
ユルディズはシュートも魅力的な選手である。豊富なシュート選択肢を有しており、強力なカーブシュートでネットを揺らすことも可能だ。ユヴェントスでの試合では、浮き球のパスをダイレクトにシュートへつなげるシーンもあり、若いながらも落ち着いたフィニッシュ力を発揮。ゴール前での判断が迅速であり、試合の中で絶好のタイミングを見計らってゴールを狙う冷静さが評価されている。
レジェンドとの比較
ユルディズはそのプレースタイルから、デル・ピエーロやパウロ・ディバラといったかつてのレジェンドと比較されている。確かに、キレのあるドリブルを始めとする創造的なプレーは彼らを彷彿とさせるところもあるが、まだまだ改善の余地は大きい。今後はプレー経験を積み重ね、判断能力や精度に磨きをかけることで安定したパフォーマンスを発揮し、ゴール・アシストといった結果を継続的に残していくことが求められる。
また、フィジカル能力の向上にも期待したい。現時点ではボディコンタクトにやや難があり、持ち前のドリブル能力を発揮できない状況も見られるため、ここを改善すれば相手にとって更に危険な選手になれるだろう。
プレー動画
まとめ
ユルディズは伝統的な「ナンバー10」の素質を体現しつつも、現代サッカーの多様な役割に適応した選手である。彼のドリブル能力、シュート力、そして視野の広さと創造力はいずれも非常に有望であり、ユヴェントスとトルコ代表の両方で中心選手となり得る潜在能力を示している。今後の成長と更なる活躍が非常に楽しみだ。