レニー・ヨロは、フランス出身の若手センターバックである。早くも18歳にして、高額な移籍金で名門マンチェスター・ユナイテッドへ加入するなど、その才能についてはすでに特大の評価を得ている。この記事ではそんなヨロについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2005/11/13 |
国籍 | フランス |
身長 | 190cm |
ポジション | DF |
利き足 | 右 |
キャリア初期
ヨロは幼少期からフランス国内でサッカーを始め、アルフォールヴィルやヴィルヌーヴ=ダスクにあるクラブでプレー。その後、2017年にリールのユースアカデミーに加入した。2022年5月14日、わずか16歳でリールのトップチームでリーグ・アンデビューを果たし、クラブ史上2番目に若いデビュー選手となった。
そして、その翌シーズンからヨロはリールのトップチームに定着すると、続く2023-24シーズンには主力としてリーグ戦32試合に出場。さらには欧州カップ戦にも7試合に出場するなど、貴重な経験を積み重ねた。
マンチェスター・ユナイテッドへの移籍
2024年7月、ヨロはマンチェスター・ユナイテッドに移籍する。移籍金は約6200万ユーロとされ、18歳以下の選手としては史上最高額の1つとなった。この移籍は世界的な注目を集めたものの、加入直後のプレシーズンマッチにて足首を負傷。2024年10月時点でデビューはお預け中となっている。
フランス代表キャリア
フランス代表としても、ヨロはU17から各カテゴリーの年代別代表でプレーしており、2024年にはフランスU23代表でプレー。いずれはフランスA代表の中心選手として活躍することが期待されている。
プレースタイル
ここからは、ヨロのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは守備時における読みの鋭さと冷静なボール処理が特徴的であり、年齢の割に非常に落ち着いたプレーを見せるタイプの選手だ。
守備面の特徴
ヨロの守備スタイルは、積極的に前に出て相手にチャレンジするよりも、相手の動きを読む「カバーリング型CB」としての側面が強い。彼は背後のスペースをカバーする役割に長けており、特に相手が裏のスペースにボールを送り込んできた際に、冷静に反応してインターセプトする能力が高い。ヨロのインターセプトは、単にボールをカットするだけでなく、その後の処理にも優れている。ボール奪取後、落ち着いたファーストタッチと正確なパスで味方にボールを渡し、良い形で攻撃に繋げる場面がよく見られる。
また、ヨロのデュエル成功率は約70%であり、年齢を考慮すれば非常に高い水準にある。デュエル数自体は他のディフェンダーに比べて多くはないが、相手の前進をしっかり食い止める力を持っている。さらに、彼は体格面で非常に優れており、脚の長さを活かしたタックル・スライディングや肩を使ったボディコンタクトなどにより、多くの相手に対し球際で優位に立つことが可能だ。
しかし、1対1の状況で相手が素早く方向転換した場合には、時折ボディバランスを崩してしまう傾向が見られる。こうした点はまだ改善の余地があり、ヨロが今後より一層成長するための重要な課題といえるだろう。
攻撃面の特徴
守備だけでなく、ヨロは攻撃の起点となることも多い。彼のパスは非常に堅実で、2023-24シーズンにおけるパス成功率は約92%と高水準を誇る。しかし、その多くは短いパスやサイドへの安全なパスであり、リスクを避ける傾向が強い。前線への積極的なパスや、相手ディフェンスラインを突破するような「ラインブレイク」のパスは少なく、ここに関してはさらなる成長が期待される部分である。
一方で、ヨロはボールを持った際のドリブル能力にも光るものがる。彼のドリブル成功率は55%と高くはないが、そのポテンシャルは大きく、プレッシャーをかけられても冷静に対応し、相手のプレスをいなす能力があるのだ。特にボールを持ちながらのターンや、細かいステップを踏んで相手をかわす技術は同年代の選手と比較しても抜きん出ている。この点において、ヨロは将来、攻撃面でもより積極的に貢献できる選手へ成長する可能性を秘めているといえるだろう。
フィジカル面での強さ
ヨロの身長は約190cmであり、フィジカル的にも非常に優れた選手である。空中戦での勝率は64%(2023-24シーズンの記録)と高く、特にセットプレー時には相手にとって脅威となる存在だ。ヘディングの際にはボールの落下地点を正確に予測し、相手を抑え込む力がある。ただし時折、ヘディングの際に体勢を崩すことがあり、ジャンプのタイミングや身体の使い方に関してはもう少し経験を積む必要があるだろう。特に、ゴールキックからの空中戦では、相手に体を入れられてしまうことがあり、その結果ボールを失ってしまうシーンなども見受けられる。
プレー動画
まとめ
レニー・ヨロは、その若さにもかかわらず、すでに高い技術とフィジカルを備えた優秀なセンターバックである。守備においては、冷静な判断力とインターセプト能力が際立っており、攻撃面でも堅実なパスとポテンシャルの高いドリブル能力を持つ。今後の成長次第では、攻守にわたってより積極的にチームに貢献できる選手となるだろう。現時点の彼の弱点といえる身体の使い方やパスの積極性に関しては、フィジカル面の更なる成熟や経験の蓄積によって改善されていくはずだ。したがってヨロは、将来のフランス代表やマンチェスター・ユナイテッドの守備の要として、大いに注目される存在である。