マタイス・デ・リフトのプレースタイルを徹底解説:大いなる可能性を持つエリートCB

選手紹介

マタイス・デ・リフトは、オランダ出身のセンターバックであり、フィジカルと技術を兼ね備えた現代型ディフェンダーとして知られている。彼はアヤックス、ユヴェントス、バイエルン・ミュンヘンを経て、2024年にマンチェスター・ユナイテッドへと移籍し、ディフェンスラインを強化する重要な役割を担っている。この記事ではそんなデ・リフトについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日1999/08/12
国籍オランダ
身長189cm
ポジションDF
利き足

キャリア初期

デ・リフトは、アヤックスのユースアカデミーに9歳で入団し、2016年にトップチームデビューを果たす。デビュー戦となったKNVBカップのウィレムII戦では、ゴールを決めて注目を集めた。その後すぐにレギュラーとして定着し、UEFAヨーロッパリーグ2017の決勝ではマンチェスター・ユナイテッドと対戦。17歳で欧州大会決勝に出場した最年少選手となった。2018年にはアヤックスのキャプテンに任命され、同年に「ゴールデンボーイ賞」を受賞し、守備的選手として初の受賞者となった。2018-19シーズンには、エールディビジとKNVBカップの2冠を達成し、UEFAチャンピオンズリーグでは準決勝進出に大きく貢献した。特に、準々決勝のユヴェントス戦では決勝点を挙げ、クラブを26年ぶりのベスト4に導いた。

ユヴェントスへの移籍

2019年7月、デ・リフトはイタリア・セリエAの強豪ユヴェントスに移籍。移籍金は約7500万ユーロとされ、加入後すぐにレギュラーに定着した。加入直後の2019-20シーズンでは、セリエA制覇を達成し、チームのリーグタイトル防衛に貢献した。ユヴェントスでの在籍期間中、デ・リフトはコンスタントにプレーし、2020-21シーズンにはコッパ・イタリアで優勝を果たした。ユヴェントスでの3年間は、時折守備のミスや戦術の適応に苦労する場面も見られたものの、その若さと将来性からチームの柱として期待され続けた。

バイエルン・ミュンヘンへの移籍

2022年7月、デ・リフトはドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンに移籍。移籍金は6700万ユーロと報じられた。バイエルンではその体格と統率力を活かし、すぐに守備の中心として活躍。怪我の影響もあり浮き沈みはあったものの、ブンデスリーガの優勝に貢献したほか、UEFAチャンピオンズリーグでもチームの重要な役割を担った。2023年には、パリ・サンジェルマンとの試合でのゴールライン上のクリアが大きく称賛され、その守備力がチームの勝利に直結した。また、バイエルンでの初年度には月間最優秀選手に2度選ばれるなど、バイエルンでもその存在感を示した。

マンチェスター・ユナイテッドへの移籍

2024年夏、マンチェスター・ユナイテッドはデ・リフトを獲得。移籍金は4500万ユーロと報じられ、デ・リフトはプレミアリーグで新たな挑戦を開始した。デビュー戦は2024年8月のフルハム戦であり、その後すぐにレギュラーとして起用された。9月にはサウサンプトン戦で初ゴールを記録し、新天地で順調なスタートを切っている。

オランダ代表キャリア

オランダ代表としては、2017年に17歳でデビューを飾り、1931年以来最年少で代表に出場した選手となった。彼はUEFA EURO 2020や2022 FIFAワールドカップなど、主要な国際大会でもオランダ代表の守備を支えている。

プレースタイル

ここからは、デ・リフトのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは主に優れた体格と技術によって形成されており、積極的なタックルや空中戦での強さが高く評価されている

フィジカルとアグレッシブな守備

デ・リフトの最大の特徴は、そのフィジカルなプレースタイルである。身長190cmの大柄な体格を活かし、1対1の局面で圧倒的な強さを発揮する。彼はストッパー型センターバックとしての側面が強く、積極的に相手にタックルを仕掛け、ボールを奪いに行くスタイルを好む。特にハイラインでの守備が求められる現代のサッカーにおいて、前に出て相手の攻撃を阻止する能力は非常に高く評価されている。テン・ハーグ監督が求めるセンターバック像に合致しており、ユナイテッドにとって重要な補強となっている。

ただし、デ・リフトは時折、過度にアグレッシブになりすぎることがあり、相手にかわされてしまうリスクも伴う。小柄で機動力のある選手に対しては、アプローチを誤ることがあるが、リカバリーのスピードが速いため、ミスを即座に補うことができる点が彼の強みである。

空中戦とペナルティエリア内での守備

デ・リフトは、空中戦にも強く、多くのヘディングデュエルで勝利する。ファン・ダイクのようなトップクラスのエアバトラーには及ばないものの、マンチェスター・ユナイテッドの他のセンターバックと比較しても優れた能力を持っている。特に、ヴィクトル・リンデロフやマグワイアと比べても、空中戦での強さは一段上であり、特にセットプレー時には攻守両面で貢献できる。

また、ペナルティエリア内での守備においてもデ・リフトは非常に優秀である。彼は相手の攻撃の意図を読み取り、ブロックやインターセプトを行う能力が高い。特にクロスに対しての守備や、ゴール前でのフィジカルを活かしたディフェンスは、マンチェスター・ユナイテッドの守備陣に欠かせない要素となり得る。

ボール運びとポゼッションスキル

デ・リフトのもう一つの大きな強みは、ボールを持って前進する能力である。彼は守備的な役割だけでなく、ポゼッションを重視する現代サッカーにおいて、攻撃の起点となることもできる。バイエルン・ミュンヘンでの経験を通じて、ボール運びやパスの精度が向上し、特にロングパスや攻撃の起点となる縦パスの成功率が高まった。デ・リフトは、後方からボールを持ち出し、敵陣に向けて積極的にボールを運ぶことができ、これによりチーム全体を前進させる。

テン・ハーグ監督の戦術において、センターバックがボールを運び出す能力は非常に重要である。デ・リフトはこの点で非常に優れており、マンチェスター・ユナイテッドの攻撃力向上にも貢献することが期待される。

柔軟性と適応力

デ・リフトは、右サイドのセンターバックとして主にプレーするが、左サイドでもプレーできる柔軟性を持っている。この適応力により、彼はマンチェスター・ユナイテッドの他のセンターバック、特にリサンドロ・マルティネスやハリー・マグワイアと併用される際にも重要な役割を果たすことができる。左右どちらのポジションでも安定したプレーを見せるため、チーム戦術に応じた柔軟な配置が可能だ。

リーダーシップとメンタル面の強さ

デ・リフトは、キャプテンシーとリーダーシップを備えた選手である。アヤックス時代には、わずか19歳でチームのキャプテンを務め、オランダ代表でもキャプテンとしての経験がある。彼はチームメイトに対して積極的に指示を出し、守備ラインを組織する能力を持っている。マンチェスター・ユナイテッドにおいても、このリーダーシップは守備の安定性を向上させる重要な要素となるだろう。

弱点・改善点

デ・リフトには優れた能力が多くあるが、改善の余地も存在する。特に、ワイドエリアでの対応や後方ポストでの守備においては課題が残っている。相手がサイドでボールを持った際、デ・リフトは少し距離を取って相手の動きを遅らせる対応を頻繁にとるが、機動力のある選手に対しては、このアプローチが通用しないことがある。また、後方ポストでの集中力の欠如により、時折相手に背後を取られることがある。これらの点は、彼が今後成長し改善していくべき部分である。

プレー動画

まとめ

マタイス・デ・リフトは、フィジカルの強さ、守備力、ボール運びのスキル、そしてリーダーシップを兼ね備えた現代型のセンターバックである。彼はマンチェスター・ユナイテッドにとって、ディフェンスラインを強化するための重要なピースとなることが期待されている。テン・ハーグ監督の下で再び成長し、彼の潜在能力を最大限に引き出すことができれば、ユナイテッドの守備は一層安定し、攻撃の起点としても貢献することができるだろう。デ・リフトはまだ若く、今後もさらなる成長が期待される選手であり、彼の進化はチームの成績に直結することが予想される。

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