マイケル・オリーセ(ミカエル・オリーズ)は、イングランド・ロンドン出身の有望アタッカーである。2024-25シーズンからドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンへと移籍し、同シーズン中にはフランスA代表デビューも果たすなど、その評価はますます高まっているところだ。この記事ではそんなオリーセについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2001/12/12 |
国籍 | フランス |
身長 | 184cm |
ポジション | MF/FW |
利き足 | 左 |
キャリア初期
オリーセは幼少期からサッカーに打ち込み、地元のクラブ・アーセナルやチェルシーのアカデミーで育成を受け、マンチェスター・シティにも一時期在籍した。その後、2018年にレディングのアカデミープログラムに参加し、2019年3月にプロデビュー。2020-21シーズンにはイングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)での活躍が認められ、EFL年間若手選手賞を受賞している。
クリスタル・パレスへの移籍と成功
2021年、オリーセはクリスタル・パレスに移籍し、プレミアリーグでの挑戦を開始した。ここで彼は見事な成長を見せ、2022-23シーズンにはプレミアリーグで11アシストを達成。翌2023-24シーズンも10ゴール6アシストを記録し、パレスの攻撃陣を支える存在となった。その結果、多くのビッグクラブの関心を集め、2024年7月にバイエルン・ミュンヘンへの移籍を果たした。
新天地バイエルンでは瞬く間にレギュラーの座を確保。主に右ウインガーとして起用されると、最初の公式戦12試合で7ゴール・3アシストと見事な成績を残している。
フランス代表キャリア
国際舞台でオリーセは、フランスのU18・U21での代表経験を経て、2024年9月にフランスA代表でデビューを果たした。なお、同年にはパリオリンピックにも出場し、フランスの銀メダル獲得に貢献している。
プレースタイル
ここからは、オリーセのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。抜群のスピードとキレのあるドリブル突破が彼の最大の武器といえるが、それを可能にするのが彼の「姿勢の良さ」である。
豊富な仕掛けの選択肢
オリーセは、ボールを持って仕掛ける際に「ニュートラル」な体勢を極力維持することで、自らの意図を相手ディフェンダーに読ませないようにしている。そのうえ、サイドから中央へカットインする動きと、縦へ突破する動きのどちらも上手く、相手ディフェンダーにとって対処するのが非常に困難な選手だ。
また、後述するようにパスの能力も高いため、ドリブルからのプレーの選択肢を豊富に持っている。一般的に有望と評される若手ドリブラーの中には、ドリブル時の判断能力に課題を抱えているケースも見られるが、オリーセはそうした選手たちとは一線を画している存在である。
卓越したボディコントロール
オリーセのドリブル時のさらなる特徴としては、相手ディフェンダーの重心移動を見極め、それを利用して突破する技術も挙げられるだろう。彼はボールを足元にタイトに保ちながら、素早いフットワークと肩の使い方で相手を翻弄。相手の重心を左右に揺さぶりながら、瞬時に逆方向に切り返すことで、ディフェンス陣を切り裂いていく。優れた判断能力と身体能力が合わさった、オリーセの得意プレーである。
冷静なフィニッシュ
オリーセはシュートにおいても、相手キーパーの体勢や動きに応じた巧妙なフィニッシュを行える。彼はバイエルンでの最初の12試合ですでに7ゴールを記録しているが、その中には左足のアウトサイドを使ったトリッキーなシュートや、パワーに頼らず軽くコントロールされたタッチでゴールを決めている。こうしたプレーは、彼の冷静さとシュートテクニックの高さを示しているといえるだろう。
優れたビジョンとパス精度
オリーセはプレー中、味方の動きやポジションを常に把握しているため、受け手にとって優しいパス供給が可能だ。そのパスはやタイミングやスピードが適切であり、特にスルーパスやクロスの場面ではその高い精度が活かされやすい。さらに彼はセットプレーのキッカーとしても活躍しており、フリーキックやコーナーキックから重要なチャンスを演出している。
戦術的柔軟性
バイエルンでのオリーセは、ここまで主に右ウイングとして起用されている。そのため右サイドに開いてボールを受けることが多く、そこから内側へのカットインと縦への突破を使い分けている。しかし彼は、必要に応じて中央や左サイドへのポジションチェンジが可能である。
実際バイエルンには、オリーセが必要に応じて中央でプレーメーカーとして機能する「プランB」が存在する。優れた視野とパス精度を有するオリーセは中央でもプレー可能であり、チームに流動性と多様性をもたらしている。
プレー動画
まとめ
オリーセは現在、バイエルン・ミュンヘンの強力なサポート体制と戦術のもとで、世界トップクラスの選手へと成長しつつある。彼のプレースタイルは既に洗練されているが、さらなる高みを目指すには、右足の使用頻度やフィジカル面の更なる強化が求められるだろう。いずれにせよ、欧州屈指の有望選手であることは間違いなく、今後は国際舞台での活躍も期待される。