マイク・メニャンのプレースタイルを徹底解説:攻守に大きなインパクトを与える世界屈指のゴールキーパー

選手紹介

マイク・メニャンは、現在ACミランとフランス代表で守護神を務める世界屈指のゴールキーパーである。抜群の反射神経と視野の広さ、そして優れたフットワークを駆使し、攻守においてチームに大きな影響を与えるタイプだ。この記事ではそんなメニャンについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日1995/07/03
国籍フランス
身長191cm
ポジションGK
利き足

キャリア初期

メニャンはパリ・サンジェルマン(PSG)のユースアカデミーで育成され、2013年にトップチームと契約を締結。しかし、公式戦での出場機会は得られなかった。

その後、2015年にリールへ100万ユーロで移籍。当初は控えの役割を担うも、2017年には正ゴールキーパーとして定着した。守護神として迎えた2017-18シーズンには36試合に出場、2018-19シーズンには42試合に出場してリーグアンの年間最優秀ゴールキーパーに選出。その後もチームに不可欠な存在としてゴールマウスを守り続け、2020-21シーズンにはリールをリーグ優勝に導く立役者となった。

ミランへの移籍

2021年7月、メニャンはイタリア・セリエAのACミランに移籍。約1600万ユーロの移籍金で加入し、パリ・サンジェルマンに移籍したジャンルイジ・ドンナルンマの後任として期待を集めた。ミランでのデビューシーズン、瞬く間に守護神として定着したメニャンは堅実なパフォーマンスを披露。チームを11年ぶりとなるセリエA優勝に導くとともに、個人としてもセリエA年間最優秀ゴールキーパーに選出された。こうしたリーグでの活躍に加え、2023年にはチャンピオンズリーグ準々決勝のナポリ戦で重要なセーブを連発し、ミランのCLベスト4進出に貢献するなど、国際舞台でも活躍している。

フランス代表キャリア

メニャンはフランス代表としてU-16から各年代でプレーし、2020年にフル代表デビュー。2022年ワールドカップは怪我のため出場できなかったが、2023年にウーゴ・ロリスが代表を引退した後は、正ゴールキーパーとしてフランス代表を支える存在となった。自身がフランス代表の守護神になって初めて迎えたメジャー大会であるEURO2024では、全6試合に出場。チームは準決勝にてスペインに敗れたものの、メニャンは大会を通して優れたパフォーマンスを披露し、同大会の最優秀ゴールキーパーにも選出された。

プレースタイル

ここからは、メニャンのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。最初に述べた通り、彼は抜群の反射神経と視野の広さ、そして優れたフットワークを兼備しており、攻守に素晴らしいパフォーマンスを披露する。

シュートストップ能力

メニャンのプレースタイルにおいて際立つのは、優れたシュートストップ能力である。短距離のシュートに対する反応が非常に速く、重要な試合でも決定的な場面でスーパーセーブを見せることが多い。特に、2020-2021シーズンのリールでの活躍時にはセーブ率が78%を超えており、21試合で無失点を達成。ミランへの移籍後も、ディフェンスの最後の砦として確固たる信頼を得ており、セリエAの最優秀ゴールキーパーにも選出されている。

一方、至近距離での抜群のセービング能力に比べると、ミドルシュートに対するポジショニングや反応には若干の改善の余地がある。中でも低弾道の鋭いシュートに対応しきれない場面が比較的目立つため、ここを改善できると更に隙のないキーパーとなるだろう。

スイーパーキーパーとしての能力

メニャンは、相手が裏へ抜け出してきた際に素早くゴールラインを飛び出して対応する「スイーパーキーパー」としても優れている。味方最終ラインを破ってペナルティエリア内に侵入してきた相手に対しては、素早く積極的に距離を詰めることでシュートコースを大きく限定。そして、得意の至近距離セーブで決定機を阻止するのだ。

また、彼はペナルティエリアの外にまで果敢に飛び出し、決定機を未然に防ぐプレーにも意欲的である。所属クラブのミランはハイラインを敷く傾向にあるため、その背後のスペースを狙われるリスクが比較的大きい。しかしカバーエリアの広いメニャンが後方に構えることで、チームの守備の安定に大きく貢献している。

空中戦とリーダーシップ

メニャンは空中戦やクロスへの対応も優秀だ。191cmの長身と優れた身体能力を活かすことで、高い位置でボールをキャッチすることが可能。これにより、空中戦においてディフェンスラインにかかるプレッシャーを軽減している。

ゴールエリアを支配するメニャンの強みはそれだけではない。彼はバックラインのリーダーとしての指揮能力が高く、試合中には常にディフェンス陣に的確な指示を出し、ラインを整えている。そのため、彼の存在はチーム全体の守備の安定性を向上させるうえで不可欠なものとなっているのだ。

パス・ビルドアップ能力

現代のゴールキーパーに求められるスキルとして、ボール配給能力は重要な要素であるが、メニャンはその点でも卓越している。彼は右足だけでなく左足でのキックも正確であり、多くの試合で80%以上のパス成功率を記録。ショートパスからロングパスまで、いずれも安定した精度で送り出すことができ、カウンターアタックの起点としても機能する。

また、特にミランでは、メニャンが最後方に位置する「レジスタ」としてチームに欠かせない役割を担当。後方からのビルドアップにおいて、メニャンは最終ラインの一員として積極的に振る舞い、フィールドプレーヤーと何ら遜色のないフットワークを見せる。そして最後方での数的優位を活かしながら、卓越した視野とビジョン、配給能力によってボールを的確に前進させていく。

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このように、メニャンは守備にとどまらず、ビルドアップにおいてもチームに大きく貢献しているのだ。

ウィークポイント

メニャンのウィークポイントとしてはっきりしているのが、怪我による戦線離脱の多さである。ミラン移籍後の彼はここまで毎シーズン負傷しているが、先述の通り攻守における重要度が非常に高いため、彼の離脱はチームにとって大打撃となってしまう。

また、負傷の多さが彼個人のパフォーマンスの低下につながるリスクも懸念されている。相次ぐ怪我により、彼のプレースタイルの中核をなす優れた身体能力が恒久的に低下してしまわないよう、今後はより適切なコンディション管理が求められるだろう。

プレー動画

まとめ

マイク・メニャンは、抜群の反射神経や正確なボール配給、エリア支配力、そしてリーダーシップを兼ね備えた総合力の高い世界屈指のゴールキーパーである。彼の存在は守備に安定感をもたらし、さらに攻撃の起点としての役割もハイレベルに遂行。怪我によるリスクは見過ごせないものの、現代サッカーにおける理想的なゴールキーパーの一人であることに疑いの余地はない。ミランやフランス代表において重要な役割を担い続けるメニャンは、今後も欧州トップクラスの舞台でその存在感を示し続けるだろう。

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