ニコロ・バレッラのプレースタイルを徹底解説：ピッチを駆ける中盤のダイナモ

ニコロ・バレッラは現代サッカーにおいて屈指のミッドフィールダーの一人である。彼は中盤のあらゆるポジションでプレー可能だが、特に「ボックス・トゥ・ボックス」の役割でその真価を発揮する。今回はそんなバレッラについて紹介していきたい。

基本情報・成績

クラブキャリア

バレッラはカリアリ・カルチョのユース出身で、2015年に同クラブでプロデビューを果たした。2017年にはセリエAで初ゴールを記録し、同年12月には20歳でカリアリ史上最年少キャプテンに就任している。2018-19シーズンにはカリアリでリーグ100試合出場を達成し、その年のセリエAベストイレブンに選出された。

2019年、インテル・ミラノに1年間のローン移籍を経て、翌年正式にインテルと契約。加入直後から主力選手として活躍し、2020年にはインテルをUEFAヨーロッパリーグ決勝に導いた。2020-21シーズンにはセリエA優勝（スクデット）を果たし、自身もリーグ最優秀ミッドフィルダーに選ばれている。

その後も、インテルでのバレッラの活躍は続き、2021年には契約を2026年まで延長。2021-22、2022-23シーズンにはコッパ・イタリアとスーペルコッパ・イタリアーナのタイトルを連覇し、セリエAベストイレブンに5年連続で選出された。また、インテルではUEFAチャンピオンズリーグ決勝にも進出している。

国際キャリア

バレッラはイタリアのユース代表でも活躍し、2016年にはUEFA U-19欧州選手権で準優勝、2017年のU-20ワールドカップでは3位に輝いた。2018年にイタリアA代表に初招集され、初ゴールは2019年のUEFA EURO 2020予選、フィンランド戦で決めた。

2021年のEURO 2020では、イタリア代表の一員として優勝に貢献。準々決勝のベルギー戦ではゴールとアシストを記録するなど、大会を通じて安定したパフォーマンスを見せた。また、UEFAネーションズリーグでは、2021年の3位決定戦でベルギーを相手に得点を挙げ、チームを勝利に導いた。

2024年には、イタリア代表のキャプテンとして初めて腕章を任され、エクアドルとの親善試合でゴールを決めるなど、今後のさらなる活躍が期待されている。

プレースタイル

ここからは、バレッラのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼は攻守ともに貢献度が高く、ピッチ全体をエネルギッシュに動き回るプレーが特徴的だ。

機動力抜群のプレー

バレッラの最大の強みといえるのが、抜群の運動能力を活かした機動力あるプレーである。セリエAでも屈指のスタミナを誇る彼はピッチを動き回り、積極的にスペースへと顔を出すことでチームにダイナミズムをもたらす。特に前方への動きに優れており、オフザボール時にタイミング良く相手ゴール前へと侵入することはもちろん、ハイレベルかつ安定したボールスキルを活かして自らドリブルで持ち運ぶことも可能だ。

パス能力

他にもバレッラの大きな特長として、その優れたパス能力が挙げられるだろう。彼はスルーパスやキーパスを巧みに用い、チームの攻撃を効果的にリードすることが可能。インテルでのプレーにおいては、チャンスメイクやプログレッシブパスといった積極性が際立っており、また相手ゴール前で決定的な場面を作り出す能力にも優れている。

実際、バレッラは2022-2023シーズンに全大会で9ゴールと10アシストを記録するなど、攻撃面で大きな貢献を果たしている。特に右インサイドハーフとしてプレーする際、彼はパスによるチャンスメイクを連発。タイミング、精度、レンジのいずれも高水準であるため、様々な状況でチャンスを演出できるのだ。

プレス能力

バレッラのもう一つの強みは、守備時の積極的なプレーだ。彼はエネルギッシュでアグレッシブなプレスをかけ、相手の攻撃を未然に防ぐ力がある。フィジカル能力については比較的細身ではあるものの、そのアグレッシブネスを活かしてピッチ上でのデュエルにも勝利し、ボールを奪い返すことに長けている。これにより相手のボール前進を阻止しつつ、自チームの攻撃へと迅速に移行するのだ。

得点力とアシスト力

バレッラはゴールを狙う際の技術も持ち合わせている。彼のシュートは精度が高く、特にミドルレンジからのシュートでもゴールを脅かすことが可能だ。そのため彼は単にチャンスを演出するだけでなく、攻撃のフィニッシャーとなることもできる選手である。

国際的な経験とリーダーシップ

イタリア代表としても、バレッラは非常に重要な存在である。2021年のEUROではイタリアの優勝に貢献し、彼のプレーは国内外で高く評価された。国際舞台での経験が豊富であり、重要な試合でもプレッシャーに呑まれずプレーできる点も彼の強みといえるだろう。また、彼にはリーダーシップがあり、クラブレベルにおいてもインテルのリーダーの1人としてチームを牽引している。

プレー動画

まとめ

ニコロ・バレッラは、現代サッカーにおいて非常に多才で貢献度の高いミッドフィルダーだ。彼の運動量、パス能力、積極的な攻撃参加、守備時の貢献、そしてリーダーシップは、チームにとって不可欠な要素となっている。インテルやイタリア代表での成功を見てもわかるように、彼は攻守両面で高いレベルのパフォーマンスを発揮し、チームを支える選手である。