ロドリゴ・デ・パウルのプレースタイルを徹底解説:技巧と闘志を兼ね備えた中盤の闘将

選手紹介

ロドリゴ・デ・パウルは、現在アルゼンチン代表とアトレティコ・マドリードで活躍する中盤の選手である。彼は気迫に満ちたプレーでチームの中盤に強度をもたらすなど、攻守にわたって貢献できる選手として高い評価を得ている。この記事ではそんなデ・パウルについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日1994/05/24
国籍アルゼンチン
身長180cm
ポジションMF
利き足

キャリア初期

デ・パウルは8歳から名門ラシン・クラブのユースチームに所属し、サッカーのキャリアをスタートさせた。2013年にトップチームデビューを果たし、ラシン・クラブで2シーズンプレー。54試合に出場し、6ゴールを記録した。その後、2014年にはスペインのバレンシアCFに移籍したが、出場機会には恵まれず。すると2016年に古巣ラシン・クラブへのローン移籍を経て、同年7月にイタリアのウディネーゼへと活躍の場を求めた。

ウディネーゼでの飛躍

デ・パウルは、ウディネーゼで大きな飛躍を遂げることとなる。ウディネーゼで彼は5シーズンにわたり主力として活躍し、通算184試合に出場して34ゴール・37アシストを記録。2020年からはキャプテンに任命されるなど、クラブの顔としての役割も担った。

アトレティコ・マドリードへの移籍

2021年7月、デ・パウルはスペインの名門アトレティコ・マドリードと5年契約を締結。加入から現在に至るまで継続的に出場を重ね、2024年10月時点では約150試合に出場し、11ゴール・17アシストを記録している。

アルゼンチン代表キャリア

クラブではなかなかタイトルに恵まれないデ・パウルだが、代表においてはすでに栄光のキャリアを築いている。2018年、アルゼンチン代表としてデビューを果たすと、以後リオネル・スカローニ監督のもとで主力メンバーに定着。2021年のコパ・アメリカでは準々決勝でゴールを挙げ、決勝ではアンヘル・ディ・マリアの決勝ゴールをアシスト。アルゼンチンの優勝に大きく貢献した。また、2022年のFIFAワールドカップでもスタメンとして全試合に出場し、同国の36年ぶりの優勝に寄与。さらには2024年のコパ・アメリカでも連覇を達成している。彼の国際部隊における強烈な存在感は、近年のアルゼンチン代表の成功に欠かせない要素といえるだろう。

プレースタイル

ここからは、デ・パウルのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは、イタリアのウディネーゼ、スペインのアトレティコ・マドリード、そしてアルゼンチン代表のそれぞれで異なる特徴的な役割を担うことで発展してきた。

クリエイティブなプレー

ウディネーゼ時代、デ・パウルは主に攻撃をリードする役割を担い、積極的なボールキャリー(ドリブルでボールを運ぶこと)を通じて攻撃の起点となる場面が多かった。彼はボールを持って相手陣地深くまで運び、自らシュートを放つか、正確かつ創造的なパスを味方に提供することで決定機を創出。とりわけ、ウディネーゼはボール保持を重視するチームではなく、ボールを持って攻める機会が比較的少ない中、彼の創造力とドリブル能力はチームが効率的に点を奪うために欠かせない要素となった。

そして、デ・パウルはチームの期待に応える形で多くの得点に絡み、最終シーズンには9ゴール・10アシストと見事な成績を記録。ウディネーゼ時代のデ・パウルは、いわば「チャンスメイカー」としての役割を十分に果たし、攻撃の中心として君臨していたのだ。

守備能力

2021年にアトレティコ・マドリードに移籍したデ・パウルは、スペインのプレースタイルに適応しつつ、ディフェンシブな役割を強化した。ディエゴ・シメオネ監督のもとで彼は守備においても積極的な姿勢を示し、相手選手に対して高い位置でプレスをかけ、守備から攻撃への素早い切り替えを実現している。

またアトレティコではウディネーゼ時代ほどの自由度はなく、攻撃的なセンスを披露するシーンが減少している印象も受けるものの、持ち前の創造的なパスやボールキャリー能力は健在。特にカウンター時においては持ち前のダイナミズムを発揮し、アンヘル・コレアやアントワーヌ・グリーズマン等の味方アタッカーと連携しながら、相手ディフェンスを崩す役割を果たしている。

献身性と心理的駆け引き

アルゼンチン代表では、デ・パウルはリオネル・メッシとの関係性が深く、彼の「ボディガード」としての側面も強く見受けられる。例えばコパ・アメリカや2022年のワールドカップでは、メッシの守備負担を軽減するべく献身的な役割を担当。豊富な運動量で広いエリアをカバーするとともに、相手選手との激しい競り合いにも積極的に挑んでいる。

また、時折彼は試合中に相手チームから「敵」と見なす選手を選び、心理的な駆け引きを交えたプレーを展開する。この戦略は、相手に精神的な圧力をかけるだけでなく、デ・パウル自身の集中力や闘志を高めるための手段でもあるのだろう。彼はピッチ外ではフレンドリーな性格であるが、試合中には一変し、相手に対する挑発や威圧的な態度でその存在感を示すこともある。

ウィークポイント

多面的かつ機能的な特徴を有するデ・パウルだが、パフォーマンスの波がやや大きい点はウィークポイントといえるだろう。不調時には先述した積極的なドリブルやパスがミスに繋がりやすく、かえって相手の危険なカウンターを誘発してしまいがちだ。特にアトレティコ・マドリードでは浮き沈みが目立っており、より安定感のあるプレーが求められている。

プレー動画

まとめ

ロドリゴ・デ・パウルは攻守に大きく貢献できる機能的な選手である。彼の持つ技術、ダイナミズム、戦術理解力、献身性といった多様な強みは、チームの戦術面や精神面に大きな影響をもたらし、ことにアルゼンチン代表においては欠かせない要素となっている。30歳を迎え、ベテランの領域に入った彼が今後どのようなキャリアを辿っていくかに注目していきたい。

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