ライアン・フラーフェンベルフのプレースタイルを徹底解説:真価を発揮し始めた中盤の支配者

選手紹介

ライアン・フラーフェンベルフは、現在リバプールFCおよびオランダ代表で活躍する将来有望な選手の一人である。リバプールでの加入2シーズン目となる2024-25シーズン、彼は自身の持つポテンシャルを大きく引き出し始めており、今後の更なる活躍が注目されるところだ。この記事ではそんなフラーフェンベルフについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2002/05/16
国籍オランダ
身長190cm
ポジションMF
利き足

キャリア初期

フラーフェンベルフのキャリアは2009年、地元クラブのZeeburgiaで始まり、2010年にアヤックスのユースアカデミーに加入したことで本格化した。ユース時代から才能を発揮し、2018年にはアヤックスの「アブデルハク・ヌーリ賞」を受賞するなど、クラブ内で高い評価を得た。同年、16歳130日でエールディヴィジデビューを果たし、クラレンス・セードルフの記録を破ってアヤックス史上最年少のリーグデビュー選手となった。2020-21シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグで初得点を記録し、翌シーズンにはKNVBカップ決勝でもゴールを決めるなど、選手としての評価を更に高めていった。

バイエルンへの移籍

2022年、フラーフェンベルフはバイエルン・ミュンヘンに移籍し、5年間の契約を結んだ。移籍金は約1800万ユーロとされ、すぐにドイツのトップクラブでプレーする機会を得た。DFBポカールでは初得点を挙げるなど、幸先の良いスタートを切ることには成功。しかし、その後リーグ戦での出場機会は限られたため、1シーズン後の2023年、プレミアリーグのリバプールに移籍した。これにより、バイエルンに対し約4000万ユーロの移籍金が支払われたとされる。

リヴァプールへの移籍

リバプールでは、2023年9月にデビューし、10月にはUEFAヨーロッパリーグで初得点を記録した。2シーズン目となる2024-25シーズンからは、アルネ・スロット新監督の下で新たな役割を担い、好パフォーマンスを披露。マンチェスター・ユナイテッドとのライバル対決で活躍するなど、評価を大きく高めているところだ。

オランダ代表キャリア

代表チームでは、オランダの各年代別代表としてプレーし、2018年にはU-17欧州選手権優勝に貢献した。2021年にはA代表デビューを果たし、UEFA EURO 2020にも出場。その後2024年にはEURO 2024のオランダ代表に(出番はなかったものの)選出されるなど、今後もさらなる活躍が期待されている。

プレースタイル

ここからは、フラーフェンベルフのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。アルネ・スロット新監督の下、彼はリバプールの中盤において攻守両面で重要な役割を果たす選手へと変貌している。

攻撃面の特徴

フラーフェンベルフの攻撃面での特徴は、ボール保持能力とパス精度の高さである。彼はリバプールのベースとなる4-2-3-1フォーメーションにおいて、主にダブルボランチの一角として、攻撃の起点となる役割を担っている。特に昨シーズンに比べてタッチ数が大幅に増加しており、試合を通してリズムを作り、テンポをコントロールする能力が向上している。彼のタッチ数は昨シーズンの平均55.7回から今シーズン(10月時点)は78.4回に増加しており、アヤックス時代のようにボールに多く関与している。これにより、フラーフェンベルフは試合の流れを掌握し、自らのプレーを展開する機会が増えている。

ボール保持時におけるフラーフェンベルフの特筆すべき点は、そのプレス耐性の高さである。彼は相手からプレッシャーを受けながらも冷静に対応し、正確なパスで攻撃を組み立てることができる。大きな身体を上手に使ってボールを隠しつつ、キレのあるタッチで相手のプレスを無効化するプレーは、彼の得意技のひとつといえるだろう。また、彼は単なるパスだけでなく、ドリブルで前進する能力も兼備。特に中盤から前線にかけてスペースがある場合には、積極的にボールを運んでチャンスを作り出すこともできる。

その際、フラーフェンベルフは相手守備陣の間にできるスペースを見逃さない。相手がミドルブロックやローブロックで守備を固めた際にも、彼は巧みにスペースを見つけ出し、パスやドリブルで前進する。これにより、リバプールの攻撃はよりスムーズに展開され、相手の守備陣を効果的に崩すことが可能となるのだ。

守備面での貢献

フラーフェンベルフの守備力は、その体格とフィジカルを活かしたプレーが特徴的である。彼は守備的ミッドフィルダーとしても機能しており、特に相手のカウンターアタックを防ぐ際にその力を発揮している。今シーズン(10月時点)の彼のインターセプト数は1試合平均1.71回で、これは昨シーズンの1.12回から大きく向上している。また、1試合平均2.14回のタックル数を記録しており、長い足を活かして相手選手からボールを奪う場面がよく見られる。

他にも、彼の守備における特筆すべき点として、相手のパスコースを遮断する能力が挙げられる。フラーフェンベルフは相手の動きをよく観察し、適切な位置取りを行うことで相手のパスをカット(もしくはパスコースを遮断)し、チームにボールを取り戻す機会を与える。このような「スマートな守備」は、彼のプレーにおける重要な要素であり、リバプールの高い守備ラインと連動して機能している。

戦術的役割とスロットの影響

アーネ・スロット新監督の戦術の下、フラーフェンベルフはより多様な役割をこなすようになっている。リバプールの中盤において、彼はダブルピボットの一角として、攻撃と守備の両方に深く関与。スロットのサッカーはクロップ時代の「ヘビーメタル」スタイルとは異なり、より「コントロール」を重視している。このスタイルがフラーフェンベルフには非常に合っているようで、彼のプレーはより魅力を増すようになった。

フラーフェンベルフは、試合の流れを読みながら適切なタイミングで仕掛ける能力に長けている。特に、ボールを持ちながら相手を引きつけ、プレスを誘い出してからパスで展開するプレーは、彼の特徴に最も合致している。このようなプレーにより、相手の守備ブロックを崩し、チームの攻撃に勢いをもたらすことができるのだ。

一方で、フラーフェンベルフには改善の余地もある。例えば2024年10月のクリスタル・パレス戦では、ボールを保持しすぎて相手に奪われる場面があり、失点に繋がりかねないシーンがあった。彼がさらなる成長を遂げるためには、状況判断の精度を上げ、ボールを奪われないようにすることが重要である。特に、後方でのプレーではリスクを最小限に抑えることが求められるだろう。

プレー動画

まとめ

フラーフェンベルフはまだ若く、22歳という年齢でありながら既に高いレベルのプレーを見せている。彼の持つ多様なスキルは、スロット監督の戦術と見事に合致しているように見受けられ、彼のさらなる成長が楽しみだ。

そして今シーズン(10月時点)、リバプールの中盤においてフラーフェンベルフが果たす役割は非常に重要になっており、将来的にはチームの中核としてさらなる飛躍が期待される。そんな彼の活躍は、リバプールのタイトル争いにおいても重要な要素となるだろう。

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