ヴィクター・ボニフェイスは、ナイジェリア出身のストライカーである。現在はバイエル・レバークーゼンに所属し、そのポテンシャルを存分に発揮しているところだ。この記事ではそんなボニフェイスについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2000/12/23 |
国籍 | ナイジェリア |
身長 | 190cm |
ポジション | FW |
利き足 | 右 |
キャリア初期
彼のキャリアは、ナイジェリアのクラブであるレアル・サファイアに始まり、2019年にはノルウェーのボデ/グリムトに移籍。入団から間もなく靭帯を負傷し、同年シーズンをほぼ欠場したが、9月にリーグデビューを果たす。翌2020年、ボデ/グリムトはエリテセリエン(国内リーグ)優勝を達成し、2021年シーズンにも連覇を達成。この間、ボニフェイスも攻撃陣の一翼を担い、成長を遂げた。
ヨーロッパでの本格的な台頭
2022年8月、ボニフェイスはベルギーのユニオン・サン=ジロワーズに移籍。2022-23シーズンには公式戦55試合で22ゴール・12アシストと見事な成績を残す。同シーズン、彼は特にヨーロッパリーグでの活躍により欧州中の注目を集め、大会を通して6ゴールを記録し得点王となった。
これにより評価が高まったボニフェイスは、2023年7月にドイツのバイエル・レバークーゼンに移籍。ブンデスリーガでも彼の勢いは止まらず、デビュー戦で得点を記録すると、エースストライカーとしてクラブ史上初となるリーグ制覇に貢献した。彼個人は最終的に公式戦34試合で21ゴール・10アシストを記録し、新人賞や月間最優秀選手賞など多くの個人賞も受賞している。
ナイジェリア代表キャリア
ナイジェリア代表として、ボニフェイスは2023年9月にシニアチームでデビュー。2024年アフリカネイションズカップのメンバーにも選出されたが、負傷により出場は叶わなかった。
プレースタイル
ここからは、ボニフェイスのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼は持ち前の身体能力と戦術的な機能性を合わせ持ち、バイエル・レバークーゼンの中心選手の1人として躍動している。
優れた個人能力
ボニフェイスは、190cmを超える長身と優れたフィジカルを武器とした最前線でのプレーが得意だ。その体格は敵のプレッシャーを跳ね除けるボールキープ、そして地上戦・空中戦両方のフィジカルコンタクトに際して大いに活用され、後述するレバークーゼンにおける戦術的役割をハイレベルにこなすカギとなっている。
また、ボニフェイスは体格の大きさに反して俊敏性も兼備。柔軟な身体能力を活かし、狭い角度や不利な体勢からでもアクロバティックかつ強力なシュートを放つことが可能だ。時にシュートの判断を誤ることもあるが、チームのチャンスメイク能力が高いことや、ボニフェイス自身の個人技で多くのチャンスシーンを作れるため、さほど問題にはなっていない。
このような身体的な特性に加え、彼はスピードとテクニックにも優れている。そのため縦へのスピードを活かした突破だけでなく、巧みな足技を使ったテクニカルなドリブルも可能である。
オフザボールの動き
ボニフェイスの更なる強みは、ゴール前でのポジショニングとタイミングの良さである。彼は攻撃時に巧みに相手ディフェンスラインの間に入り込み、絶妙なタイミングでの動き出しにより、ゴールチャンスを創出する。スピードを活かした縦方向への飛び出しも強力ながら、左から右への斜めのランニングも効果的であり、この動きで味方からスルーパスを引き出す形が得意だ。
また、ボニフェイスは先述した動きで自らの得点チャンスを生み出しつつ、相手ディフェンダーのマークを引き付けることで、結果的に味方のためのスペースを創り出すこともできる。加えて、彼は無理にシュートを放たず、時にはゴール前での冷静な判断で味方へパスを送り、決定的な得点機会を提供する場面も少なくない。実際、彼の一試合平均アシスト数はストライカーの中でリーグトップクラスであり、決してエゴイスティックなプレーヤーではないことを示している。
戦術的役割
レバークーゼンはボール保持率の高いスタイルを重視しており、ボニフェイスのプレースタイルはこの戦術と非常に相性が良い。毎試合平均して約4本以上のシュートを放ちながらも、味方への配球を意識することでチームのリズムを崩さずにプレーできる点が、シャビ・アロンソ監督率いるチームに適しているのだ。デュエルに強い彼が前線に構えることで、チームは素早くボールを前線に送ることも可能となり、素早く効率的な攻めを展開できるのもメリットである。
プレー動画
まとめ
ボニフェイスのプレースタイルは多面的な特徴を合わせ持つ。スピード、身体能力を始めとする個人能力の高さがチームの組織力によって引き立っており、選手とチームに相乗効果を生み出しているのだ。
現レバークーゼン監督のシャビ・アロンソは、かつて自身が一緒にプレーした名フォワードとの比較を交えながらボニフェイスに指導を行っているという。ボニフェイスもアロンソからの信頼とアドバイスを大いに活かし、見事な活躍を見せている。今後もボニフェイスは成長を続け、多機能型ストライカーとしてのポテンシャルを更に引き出していくだろう。