シャビ・シモンズのプレースタイルを徹底解説:進化を続ける天才アタッカー

選手紹介

シャビ・シモンズは、21歳という若さにもかかわらず、すでにヨーロッパのトップリーグで強烈な存在感を放っている選手である。プレーエリアの多様性や卓越した技術を持ち、攻守両面でチームに貢献するシモンズは、PSVやRBライプツィヒでの活躍によって自身の才能を証明してきた。この記事ではそんなシモンズについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2003/04/21
国籍オランダ
身長179cm
ポジションMF/FW
利き足

キャリア初期

2008年、シャビ・シモンズはクラブ・デポルティーボ・タデルのユースチームでキャリアをスタートさせ、その後、2010年にFCバルセロナの名門ラ・マシアに移籍した。ラ・マシアでの育成期間中、シモンズは特に高い評価を受け、将来を嘱望される選手の一人となった。しかし、契約交渉が難航した結果、2019年にパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍することを選んだ。PSGではまずU-19チームに加入し、徐々にトップチームでの出場機会を得た。2021年2月、クープ・ドゥ・フランスの試合でプロデビューを果たし、同年のクープ・ドゥ・フランス優勝も経験した。

PSVでの躍動

2022年、シモンズはオランダのPSVアイントホーフェンに移籍する。この移籍はシモンズのキャリアにおいて大きな転機となり、彼はすぐにチームの中心選手として頭角を現した。特に印象的だったのは、PSVでの最初のシーズンで19ゴールを記録し、エールディビジの得点王に輝いたことだ。さらに、KNVBカップとヨハン・クライフ・シールドの2つの国内タイトルも獲得し、シモンズはオランダ国内でその実力を証明した。

ライプツィヒへの移籍

2023年7月、PSVでの成功を受け、パリ・サンジェルマンが買い戻しオプションを行使。シモンズは再びPSGに復帰する。しかし、すぐにドイツのRBライプツィヒへのレンタル移籍が決まり、シモンズはブンデスリーガの強豪クラブで新たな挑戦を始めた。ライプツィヒでのデビュー戦では、DFLスーパーカップでバイエルン・ミュンヘンを3-0で下し、タイトルを獲得した。また、2023年8月には、シュツットガルト戦で初のブンデスリーガゴールを決め、その試合で2アシストも記録した。ライプツィヒでは攻撃の中心として活躍を続けており、欧州チャンピオンズリーグでも結果を残している。

オランダ代表としての活躍

国際舞台でも、シモンズは若くしてオランダ代表に名を連ねた。2022年のFIFAワールドカップではオランダ代表として初めて招集され、ノックアウトステージの試合でデビューを果たした。代表キャリアはその後も順調に進み、UEFAユーロ2024やネーションズリーグでもオランダの主力としてプレーしている。

プレースタイル

ここからは、シャビ・シモンズのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼はその高いテクニックとインテリジェンスを武器に、アタッカーとして多くの選択肢をチームに提供できるタイプだ。

ポジショナルな柔軟性

シモンズの最大の特徴は、そのポジショナルな柔軟性にある。彼は攻撃的ミッドフィールダー、左右のウィングのいずれも務めることができ、以前はセンターフォワードとしても起用された経験を持つ。

PSV在籍時代には様々なポジションで起用され、全公式戦で22ゴールと12アシストを記録した。こうした柔軟性により、どのポジションでもチームに貢献する力を持ち、戦術的にも非常に貴重な存在である。

ドリブルとボールコントロール

シモンズのドリブル能力は、彼のプレースタイルにおいて中心的な要素である。1対1の場面での突破力に優れており、2023-24シーズンには1試合平均で2.85回のドリブル成功を記録している。彼の低い重心と素早い方向転換は、相手ディフェンスにとって大きな脅威であり、守備陣を混乱させることができる。また、彼は相手DFを抜くだけでなく、味方にスペースを作り出すためのボールコントロールにも優れており、チームの攻撃をスムーズに進める能力を持つ。

特にRBライプツィヒの4-2-2-2システムでは、シモンズは自由に動き回り、サイド・中央を問わずに仕掛けを繰り返すなど、ボールを持ちながら積極的にチャンスを創出。シーズンを通じて1試合あたり41回のボールキャリーを記録し、その中でも5回は攻撃を前進させる重要な役割を果たした。この能力により、カウンター攻撃時にも素早く相手陣地に侵入し、得点機会を演出することができる。

パスと視野の広さ

シモンズは単なるドリブラーというわけではなく、優れたプレーメイカーでもある。彼の視野の広さとパスの精度は、チームの攻撃を組み立てる上で欠かせない要素だ。試合ごとのパス成功率は高く、特に前方へのパスを好んで送り出す。彼は攻撃を前進させる「プログレッシブパス」を積極的に行うことで、チームの攻撃のテンポを上げ、絶好の得点チャンスへと導く。

実際のところシモンズは、ショットクリエイティングアクション(ゴールに結びつくプレーの創出)において非常に優れており、1試合あたり約6回のシュートチャンスをチームメイトに提供している。また、こうしたチャンスメイク能力は結果にも表れており、2023-24シーズンには15アシストを記録した。中でもRBライプツィヒでは、ストライカーのロイス・オペンダと強力なコンビを結成し、数多くの得点を生み出している。シモンズのプレーは、チーム全体の攻撃力を底上げするものであり、彼のクリエイティビティはチームにとって非常に重要な要素となっている。

守備貢献

シモンズはボールを持っているときだけでなく、守備時においても精力的にプレーしている。彼の運動量は非常に多く、試合中は頻繁に前線からプレスをかけて相手のビルドアップを妨害。こうしてチームが高い位置でボールを奪い返し、素早く攻撃に転じることに貢献している。シモンズの守備貢献は、フィジカルの強さに頼らず、賢さとポジショニングの良さで実現されており、これは現代サッカーにおいて非常に価値のあるスキルである。

さらに、彼は空中戦でも効率的であり、53%の勝率を記録している。彼は高身長ではないものの、タイミングを見極めた賢い空中戦が得意であり、この点でもチームに貢献している。

プレー動画

まとめ

シャビ・シモンズは、まだ若いながらもすでに多くの実績を残しており、今後さらなる成長が期待されている。彼のポジショナルな柔軟性と多彩なスキルは、どのチームにおいても貴重な戦力となり得る。プレミアリーグのクラブや他のヨーロッパのトップクラブからの関心も強く、特に攻撃的なスタイルを持つチームにおいては、そのドリブル能力やパス精度が大いに生かされるだろう。

まとめると、シャビ・シモンズは攻守にわたって高い技術と知性を持つ選手であり、どのポジションでも結果を残すことができる。彼のプレースタイルは、スピード、クリエイティビティ、そして守備的な献身性が絶妙に融合したものであり、現代サッカーにおいて非常に価値のある存在だ。今後もさらなる成長が期待されるシモンズは、いずれヨーロッパのサッカー界で中心的な存在となるだろう。

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