アンドレア・カンビアーゾのプレースタイルを徹底解説:両利きのユーティリティ・プレーヤー

選手紹介

アンドレア・カンビアーゾは、イタリア・ジェノヴァ出身の選手である。現在はユベントスに所属し、その見事なパフォーマンスでチームを支えているところだ。この記事ではそんなカンビアーゾについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2000/02/20
国籍イタリア
身長182cm
ポジションDF/MF
利き足両足

キャリア初期

カンビアーゾはジェノアのユースチーム出身で、複数クラブへのレンタルによる修行を経て、2021-22シーズンにジェノアのトップチームで注目を集めた。すると2022年7月15日、ユヴェントスがカンビアーゾの将来性を評価し、ジェノアから850万ユーロで獲得して5年契約を締結。ただし即戦力とは見なされず、すぐにボローニャにレンタル移籍した。

2022-23シーズン、ボローニャでカンビアーゾは開幕戦からスタメン出場を果たし、第10節ナポリ戦では2アシストを記録するなど活躍。レギュラーとしてリーグ戦32試合に出場し、安定したパフォーマンスを発揮したことが評価され、翌シーズンよりユヴェントスでプレーすることとなった。

ユベントスでの活躍

カンビアーゾはユヴェントスでの2023-24シーズンにおいて、フィリップ・コスティッチの不調などもありウィングバックのスタメンに定着した。リーグ戦では28試合に先発出場し、3ゴール・6アシストと攻守にわたり優れたパフォーマンスを披露。さらに、国内カップ戦でも結果を残し、イタリア代表デビューを果たすなど飛躍のシーズンとなった。

2024-25シーズンも期待に応え、様々なポジションでプレーする柔軟性を発揮。特にチャンピオンズリーグやリーグ戦での重要な試合では攻守に見事なプレーを見せるなど、更に評価を高めている。

イタリア代表キャリア

カンビアーゾは2021年から2023年にかけてイタリアU-21代表で8試合に出場した後、2024年3月21日にベネズエラとの親善試合でイタリアA代表デビューを果たした。現在はルチアーノ・スパレッティ監督の下で右ウィングバックのスタメンとして起用されており、左のフェデリコ・ディマルコと並び、安定したパフォーマンスを見せる数少ない選手の一人と評価されている。

プレースタイル

ここからは、カンビアーゾのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼は戦術的柔軟性献身的なプレーを特徴とするオールラウンドなディフェンシブプレーヤーである。両足を自在に使いこなせる技術を持ち、サイドバックやウィングバックとして左右両サイドでプレーできるだけでなく、3バック・4バックを問わず複数のフォーメーションにも難なく適応可能だ。

戦術的柔軟性

先にも少し触れたように、カンビアーゾの戦術的な多才さは特筆に値する。彼はシンプルなサイドプレーヤーとして、サイドラインに広がって攻撃の起点を作ることももちろんできるが、それだけでなくインバーテッド・ウィングバック(サイドバック)として中央にポジションを移し、チームの中盤をサポートすることが可能だ。また、1対1の局面での突破力安定したボールキープ力といった技術的側面もしっかり備えているため、必要に応じてメッザーラ(インサイドハーフ)ウィンガーとしても起用される。カンビアーゾの柔軟性は、その戦術理解力(インテリジェンス)と基本技術の高さによって支えられているのだ。

攻撃的特徴

カンビアーゾの技術的側面についてフォーカスすると、特筆すべきは両足を使った正確なクロスと優れたボールコントロールである。特に、クロスの種類において彼の技術は際立っており、「低く鋭いクロス」、「ループ状のクロス」、「柔らかく落とすチップクロス」の3種類をどちらの足でも正確に使い分けることができる。この選択肢の多さにより、サイド・ハーフスペース両方からの攻撃が非常に効果的なものとなり、クロスに合わせるのが上手い前線の選手との連携で多くのチャンスを生み出している。

また、カンビアーゾはアジリティに優れているため、狭いスペースやプレッシャー下でもボールを保持しやすい素早いターン正確なボール運びによって攻撃の起点を作り出しつつ、パス(クロス)やドリブルで具体的なチャンスへと繋げていくプログレッシブなプレーヤーである。

守備的特徴

当初、カンビアーゾは守備面が課題とされていたが、アッレグリやモッタといった監督のもとで大きく成長した。1対1の局面では積極的かつ冷静な姿勢で相手に対処し、スライディングに頼らず、的確なポジショニングと身体を使った守備でボールを奪う。また、持ち前の運動能力を活かして、広範囲をカバーできる点も彼の強みである。

一方で、インバーテッド・ウィングバック(サイドバック)として中央にポジションを取る際、守備面でのカバーリングが不十分になる場面もあり、このことが集中力の欠如として指摘されることがある。しかし、この課題は周囲の戦術的な調整によって改善可能であり、チーム全体のバランスが整えば、彼の知性に基づく流動的な動きを活かしながら守備面でも安定感を高めることができるだろう。

プレー動画

まとめ

総合的に見て、カンビアーゾは現代サッカーにおける理想的なディフェンシブプレーヤーである。攻守両面で活躍できるだけでなく、その柔軟性と献身性はチームにとって極めて貴重なものであり、貢献度が非常に高い。しかも、彼の年齢を考えれば更なるパフォーマンスの向上も十分に考えられるため、今後も目が離せない選手だ。