この記事では、2024-25シーズンにおけるレアルマドリードのトップチーム選手を対象に、そのポジションやプレースタイルなどを紹介していきます。
「各選手に関する情報を素早く把握したい」という人に向けた記事のため、内容は簡潔です。ただし、何名かの主力選手については個別記事を用意していますので、詳しく知りたい方はそれぞれの項目内に掲載しているリンク先の記事をご参照ください。
なお、「この選手についてもっと知りたい、個別記事を作ってほしい」という要望がありましたら、以下のサイトにて受け付けておりますので、リクエストを頂けたらと思います。
GK
ティボ・クルトワ
長所
- 圧倒的な空中戦の強さ: 身長2mの体格を活かし、空中戦ではほとんどの競り合いに勝利し、パンチングではなく直接キャッチするスタイルが特徴的。
- 優れた反射神経とダイビング能力: 動物的な反射神経で、ミドルシュートやペナルティキックを含む難しいシュートをセーブする能力が高い。
- 冷静なポジショニングと判断力: 最適なポジションを理解し、シュート角度を効果的に狭める。
- 安定したビルドアップ能力: レアル・マドリード加入後、足元の技術が向上し、パス成功率や精度の高いスローイングでカウンターの起点となる。
短所
- スペースカバー能力の不足: 最終ライン裏の広いスペースをカバーする能力がやや弱い。
- 特定のシュート対応の脆弱性: 特にニアポストへのカーブシュートに弱く、判断ミスを招くことがある。
- ファウル頻度: 長身を活かしたチャージの際に相手選手と接触し、PKを与えるシーンが見られる。
総じて、クルトワは現代サッカーでトップクラスのゴールキーパーであり、その身体能力とプレーの精度で多くの局面を救う存在である。
アンドリー・ルニン
長所
- 安定感と冷静な判断力: ボールを最後まで見極め、安定したセーブを披露。若手としては珍しく落ち着いたメンタルを持つ。
- 反射神経とクイックネス: 迅速な動きでスーパーセーブを見せる能力があり、PKセーブにも優れている。
- ビルドアップ能力: ロングキックを活用したビルドアップが可能。
- クロス対応の成長: 2023-24シーズンにはクロス処理成功率94%（31回中29回成功）を記録し、空中戦対応の弱点を改善。
短所
- クラシックなゴールキーパースタイル: ゴールエリア内に留まるタイプで、ボックス外での対応やオン・ザ・ボールの状況で苦戦する傾向がある。
- 空中戦での課題: 過去にはボックス外での空中戦処理に経験不足が見られた。
総じて、ルニンは冷静なメンタルと反射神経を武器に、安定したプレーとスーパーセーブを兼ね備えるゴールキーパーである一方、ボックス外での対応力には改善の余地がある。しかし、近年ではクロス対応能力の向上が見られ、総合力を高めている。
DF
ダニエル・カルバハル
長所
- 卓越した攻撃力: 高いクロス精度と多彩なクロスバリエーションでチームの攻撃をリード。相手守備を崩すサイド突破やパス連携にも優れる。
- 守備の安定性: スタミナと広い活動範囲を活かし、1対1の状況で安定したディフェンスを展開。タックルや瞬時の判断力で相手の攻撃を抑える。
- モダンなフルバックとしての万能性: 高いサッカーIQを活かし、攻守のバランスが非常に優れている。後方のビルドアップにも貢献し、パス成功率が高い。
- 復活と継続的な改善: 2023-24シーズンにはグルテンフリーの食事管理などでコンディションを整え、パフォーマンスが再び世界トップレベルに復活。
短所
- 空中戦の弱さ: 身長の低さゆえ、エアバトルで競り負ける場面がある。
- ケガの多さ: キャリアを通じて頻繁な軽傷が多く、シーズン通しての安定した出場が課題。2024-25シーズンには再び重傷（前十字靭帯の損傷）を負い長期離脱。
- スピードの低下: 近年の負傷や体力低下でスピードがやや落ち、特に2022-23シーズンでは守備が不安定になる場面が見られた。
カルバハルは、攻守両面で非常に高い能力を持つモダンなフルバックであり、正確なクロスや豊富なスタミナでチームを支える。一方、ケガによる欠場の多さや空中戦の弱さが課題だが、復活を遂げた2023-24シーズンの活躍は見事であり、世界トップクラスの右サイドバックであることに疑いはない。
エデル・ミリトン
長所
- 優れた身体能力: 優れたジャンプ力とフィジカルを活かし、空中戦での競り合いに強い。ヘディングによる得点能力はレアル・マドリードの主要な得点パターンの一つ。
- 高い運動能力とスピード: トップスピード34.3 km/hを誇り、攻守の切り替えが迅速で、広範囲をカバーできる。
- 守備の知性と集中力: 高い集中力とサッカーIQを持ち、相手のクロスやスルーパスへの素早い対応が可能。積極的で知的なディフェンススタイルはセルヒオ・ラモスを彷彿とさせる。
- ビルドアップ能力の成長: 両足を使った正確なパスでビルドアップに貢献し、後方からの攻撃の起点となる。
- 多才さと柔軟性: 主にセンターバックとして活躍しながら、右サイドバックもこなすことができる。
短所
- 怪我の多さ: 怪我がちであり、特に深刻な怪我（2023-24、2024-25シーズンに前十字靭帯断裂）に苦しむ。
ミリトンは卓越した身体能力と知的な守備を併せ持つ、レアル・マドリードの将来を担うセンターバックであり、重要な試合で存在感を発揮するクラッチプレーヤーである。しかし、怪我の多さが最大の課題であり、キャリア全体を通じて安定したパフォーマンスを維持するにはフィジカルの管理が不可欠である。
ダビド・アラバ
長所
- 多才なポジション適応能力: 左サイドバック、センターバック、ミッドフィールダー、さらには左ウイングまで幅広くプレーできる柔軟性を持つ。
- 卓越したビルドアップ能力: 左足の正確で大胆なパスにより、中盤や前線への展開を円滑に行い、チームの攻撃を組み立てる。
- 攻撃性能: 高精度なクロスやフリーキックを得意とし、スピードやスタミナを活かしたオーバーラップが強力。
- 経験に基づく守備力: センターバックとして守備力が向上し、的確なポジショニングとセカンドボールへの対応が優れている。
- ゲームインテリジェンス: 中盤ではテンポをコントロールし、チームのビルドアップをサポートする役割を果たす。
短所
- 高さ不足: センターバックとしては180cmとやや小柄で、空中戦で不利になる場合がある。
- 守備時の脆さ: スピードのある相手（例: ムバッペ）に対して弱点を露呈しやすい。
- 継続的なフォームの低下: バイエルン時代後半からパフォーマンスにムラが見られることがあり、特にフルバックとしての攻撃力が減少傾向。
- ポジションの嗜好: 左サイドバックを好まない傾向があり、スタミナとスプリントが求められる広いポジションでの負担を嫌う。
アラバは、攻守両面で非常に高いスキルを持つモダンなディフェンダーであり、多才さとビルドアップ能力が際立つ。センターバックとしてはやや高さが不足するものの、その欠点を補う卓越した技術と知性で、クラブや代表で重要な役割を果たす選手である。
ルーカス・バスケス
長所
- 高い運動量とアクティビティ
- 平均12km以上をカバーする驚異的な運動量で攻守両面に貢献。広範囲でのポジショニングと積極的な動きが特徴。
- 攻撃的なフルバックとしての適応力
- 元ウィンガーとしての経験を活かし、積極的なオーバーラップとクロスで攻撃に参加。特に攻撃型フルバックとして有効。
- 多様なポジション適応力
- 右ウィングから右フルバックまで柔軟にプレー可能で、チームの戦術的柔軟性を高める。
- スピードと守備的なポジショニング
- フルバックとしては十分なスピードがあり、守備時には相手ウィンガーに遅れを取らないポジショニングを見せる。
- カード管理能力
- ファウルが少なく、カードをほとんど受けないクリーンなプレースタイル。
短所
- フィジカルの弱さ
- ウィンガーやフルバックとして、競り合いやコンタクトで押される場面がある。
- スタッツの生産性不足
- ゴールやアシストなどの直接的な攻撃ポイントが少なく、決定力に欠ける。
- パッシブなプレー
- シュートや攻撃的な決断が消極的で、チャンスを逃す場面が目立つ。
- 守備時の不安定さ（近年）
- 年齢による衰えから、特に2023-24シーズン以降、防御時の混乱が増えた。
- 重要試合での影響力の薄さ
- 攻撃ポイントの多くが格下チーム相手や大差の試合で記録され、ビッグゲームでのインパクトが少ない。
バスケスは高い運動量と柔軟なポジション適応力を活かし、チームにとって貴重なユーティリティプレーヤーとして機能する。一方で、決定力や守備の安定感の不足、年齢によるパフォーマンスの低下が課題となっている。特に重要試合での影響力を高めることで、さらなる評価を得る可能性がある。
ヘスス・バジェホ
長所
- 基本に忠実な守備力
- 正確な状況判断と敏捷性に優れ、対人守備とライン統率の能力が高い。
- ビルドアップ能力
- 柔らかい足元を活かした高いパス精度と視野の広さを持ち、攻撃の起点となるプレーが可能。
- 冷静なタックル
- 無謀なスライディングを避け、落ち着いて相手の攻撃を防ぎつつボールを奪取。
- 対スピード型アタッカーへの強み
- 足が速く、裏のスペースを狙うアタッカーに対しても高い勝率を誇る。
短所
- 空中戦の弱さ
- センターバックとしては身長が不足気味で、空中戦での競り合いに課題がある。
- 空中支配力の不足
- 高さの弱点を狙われ、セットプレーやクロスで狙われる傾向がある。
- ミスの増加
- 最近ではミスが目立ち、守備で不安定な場面が増加している。
ヘスス・バジェホは、守備の基本がしっかりしており、冷静なプレースタイルとビルドアップ能力を兼ね備えたディフェンダーである。一方で、空中戦の弱さと近年のミスの増加が課題となっており、これらを克服することで信頼性を高めることが期待される。リーダーシップと技術を活かし、安定感を取り戻せれば貴重な戦力となり得る選手である。
フラン・ガルシア
長所
- 優れたスピード
- 最高速度36.50 km/hの速さを活かしたボールキャリーやオーバーラップが脅威となる。
- 堅実なフィジカル
- 身長169cmと小柄だが、バランスの取れた体格でフィジカル面での競り合いにも一定の耐性がある。
- 攻撃参加の意欲
- 数的優位を作り出すためにファイナルサードへの積極的な進出を行う。
- 連携能力
- 中盤やウィングとのパス交換や連携は一定の水準を保っている。
- 成長の可能性
- 若手選手であり、今後の成長次第で更なる改善が期待される。
短所
- 守備時の判断力の不足
- 守備時に周囲への注意が散漫で、判断力に課題がある。
- ドリブルの不足
- ドリブルで相手を抜き去る能力が低く、オーバーラップが限られがち。
- クロスの選択と精度
- 早めのクロスに依存しすぎる傾向があり、パス選択が非効率的になる場面が多い。
- サッカーIQの欠如
- 攻撃時の選択肢が単調で、状況に応じた柔軟な判断が欠けている。
- フィジカルの限界
- 小柄な体格が空中戦やフィジカルを求められる場面での制約となり、大クラブの主力フルバックとしては物足りない。
ガルシアは優れたスピードと積極的な攻撃参加が魅力の左サイドバックだが、守備時の判断力やドリブル能力、クロスの選択に課題がある。若手としてのポテンシャルは評価されるが、現時点では大クラブのレギュラーとして安定感を示すには改善が必要。今後の成長に期待される選手である。
アントニオ・リュディガー
長所
- フィジカルとスピード
- 190cmの強靭な体格とトップスピード36.7 km/hを誇る。1対1の場面やスプリントで圧倒的な優位性を持ち、身体能力を活かしたマンツーマンディフェンスが秀逸。
- 多様なポジション対応力
- 主にセンターバックだが、フルバックや守備的ミッドフィールダーとしてもプレー可能。
- ビルドアップ能力
- 柔軟な足元の技術とミドル・ロングパスの精度が高く、攻撃の起点として機能。特に長距離パスやサイドチェンジが得意で、試合中にゴールに繋がるプレーを生むことが多い。
- 攻撃参加と積極性
- スリーバック時にはハーフスペースをドリブルで持ち上がり、攻撃の破壊力を発揮。時にはミドルシュートを狙うなど、攻撃的なプレースタイルが特徴。
- 守備の安定感
- 以前の集中力不足は改善され、現在は堅実な守備を見せる。1対1の状況やセットプレーでの空中戦にも強みを発揮。
- 心理戦とインテリジェントな守備
- 相手を苛立たせる心理戦が得意で、自身がカードを受けずに相手にカードを出させるプレーが巧妙。
短所
- カードのリスク
- 突進型のディフェンススタイルからカードをもらう場面があるが、成熟と共に減少傾向。
- エキセントリックなディフェンス
- 攻撃的な守備スタイルや心理戦が「癖が強い」として評価が分かれることも。
- 空中戦の過信
- 空中戦での優位性はあるが、稀にミスやポジショニングの甘さが目立つ場面がある。
- 負傷リスク
- 過去に膝の負傷歴があり、この潜在的な爆弾が将来のパフォーマンス低下につながる可能性が指摘されている。
リュディガーは、卓越した身体能力とスピードを持つモダンセンターバックの典型であり、攻撃参加とビルドアップ能力に優れた選手である。一方で、過去の負傷歴やディフェンススタイルのリスクが課題として残る。全体としては、チームに欠かせない信頼できるディフェンダーであり、その存在感は特に強豪相手で際立つ。
フェルラン・メンディ
長所
- フィジカルと守備力
- 190cmの頑丈な体格と高い機動力を持ち、1対1の競り合いに強い。特に身体能力を活かした守備で（好調時には）力を発揮する。
- 両足の柔軟性
- 両足を自由に使えるため、右足でのクロスやロングパスが可能。左サイドバックとして攻撃の選択肢を広げる。
- ビッグゲームでの強さ
- エル・クラシコやUEFAチャンピオンズリーグ決勝など、大舞台で安定したパフォーマンスを発揮。重要な局面での活躍が目立つ。
短所
- 攻撃力の欠如
- 足元の技術が粗いため、ファーストタッチやクロスの精度が低く、攻撃参加での貢献が限定的。特に、ビルドアップや決定的な攻撃のアイデアに欠ける。
- 判断力と集中力の不足
- 攻撃時の判断が遅く、ボールを失う場面が多い。守備時にも集中力を欠く場面があり、大きなミスを招くことがある。
- 怪我の多さ
- 毎シーズン怪我で1～2ヶ月の離脱が多く、「ガラスの体質」が批判される。これにより、安定したフォームを維持することが難しい。
- プレーの安定感の欠如
- 日によってパフォーマンスに大きな波があり、攻守両面で一貫性を欠く。特に、攻撃力が低いことでヴィニシウス・ジュニオールに攻撃の負担が集中している。
- トップクラブの水準に達していない
- ビッグクラブの左サイドバックとしては物足りないプレーが多く、ファンからも一貫して批判を受けている。
メンディは、守備力とフィジカルを武器にした守備的左サイドバックとして評価されるが、攻撃面での貢献が少なく、怪我が多い点が課題となっている。特に、攻撃力が低いためにチームの左サイド攻撃がヴィニシウスに依存している現状は改善の余地がある。ビッグゲームでのパフォーマンスは高いが、シーズンを通して安定した活躍が求められる選手である。
MF
ジュード・ベリンガム
長所
- 多才なポジション適応能力
- 中盤全般（中央・守備的・攻撃的）からストライカーまで幅広くこなせる柔軟性を持つ。
- 卓越した攻撃力
- 高い得点能力を誇り、フィニッシュやヘディングの精度が抜群。オフザボールの動きで得点機を生み出す。
- ミドルシュートや両足を使った多彩なキックでゴールを量産。
- ドリブル能力
- 優れたフィジカルと柔軟性を活かしたドリブルでプレッシャーをいなし、スペースを作る。
- 視野とパス精度
- ヘッズアッププレーにより状況把握が早く、ビルドアップや攻撃の展開において多彩で正確なパスを供給。
- サッカーIQ
- 若年ながら非常に高いゲーム理解力を持ち、正確なポジショニングと判断でチームに貢献。
- リーダーシップとスター性
- 若手ながらチームを鼓舞する存在であり、ファンからの支持も厚い。ボルシア・ドルトムントでは若くしてキャプテンを務めた経験がある。
短所
- メンタル面の未熟さ
- 感情的になることがあり、不必要なファウルや抗議で警告を受ける場面がある。特に対戦相手や審判に対する態度が課題。
- 時折の熱さ
- 強いマークを受けた際に冷静さを欠き、不必要な行動を取ることがある。
ベリンガムは、攻撃力、守備力、ゲームメイク能力を兼ね備えた現代サッカーを代表する万能型のミッドフィールダーであり、そのスキルセットはほぼ完璧と言える。メンタル面の改善がさらなる成長の鍵となるが、既に若くしてチームの中心選手として活躍し、今後も欧州サッカーを牽引するスーパースターとなる可能性が高い。
エドゥアルド・カマヴィンガ
長所
- 広範な運動量と守備力
- タックルやインターセプトなどの守備能力に優れ、広いエリアをカバーできる。エンゴロ・カンテに似たプレースタイルを持つ。
- プレッシャー回避能力
- 素早い足元の技術と柔軟な身体を活かし、1～2人のプレッシャーを簡単にかわす能力を持つ。
- 攻撃的ビルドアップ能力
- 優れたボール配給能力を持ち、縦へのドリブルや推進力も兼ね備える。
- ポジションの柔軟性
- 中盤の全ポジション（守備的、ボックス・トゥ・ボックス、攻撃的）だけでなく、左サイドバックとしてもプレー可能。特にインサイド型サイドバックとしての適応力が高い。
- 将来性の高さ
- 幅広いスキルセットを持ち、今後の成長次第で6番（守備的MF）、8番（万能型MF）、10番（攻撃的MF）とさまざまな役割をこなせるポテンシャルがある。
短所
- 利き足への偏り
- 左足への依存が強く、右足の使い方が未熟。特に強いプレスを受けると攻撃展開が制限される。
- 判断の遅れ
- オン・ザ・ボール時に判断が遅れることがあり、ボールを持ちすぎて攻撃が停滞する場面がある。
- 守備的MFとしての課題
- ボックス・トゥ・ボックス型では優れているが、守備的MFとしてバックラインを保護する能力には改善の余地がある。
- 軽微な負傷
- レアル・マドリード移籍後の初期は怪我が少なかったが、2023-24シーズン以降、軽い負傷が増え、体力管理が必要になっている。
カマヴィンガは優れた守備力と攻撃的ビルドアップ能力を持つ万能型ミッドフィールダーであり、さらなる成長次第で世界最高クラスの選手になる可能性を秘めている。ただし、右足の活用や判断の迅速さなど技術的・戦術的な課題を克服することで、より完成された選手になるだろう。
フェデリコ・バルベルデ
長所
- 圧倒的な運動量とスピード
- 最高速度37.4km/hを記録し、中盤では異例のスピードスター。攻守の切り替えが迅速で、ピッチ全体をカバーできる。
- 強力なキック力
- ミドルシュートやロングパスに優れ、試合を一発で変える威力を持つ。特にボックス外からの得点能力はトップレベル。
- 高い戦術理解力とポジショニング
- チームの状況に応じた最適な動きが可能で、攻守両面で貢献。必要に応じてサイドやセンターを埋める柔軟性を持つ。
- 多様なポジション対応能力
- 中央や守備的・攻撃的ミッドフィールダーに加え、ウィンガーやウィングバックとしても活躍可能。
- 持久力と耐久性
- 連戦に強く、1試合平均10km以上走るエンジンの持ち主。シーズンを通して安定した出場が可能。
- 攻撃と守備のバランス
- 中盤のコントロールや攻撃の起点となるだけでなく、守備でもカウンターを未然に防ぐ動きを見せる。
短所
- 役割の犠牲
- チーム事情により、適性ポジションでなく補欠的な役割を担うことが多く、本来の才能をフルに発揮できないことがある。
- シュート精度の波
- 強力なキック力を持つ一方、得点精度にムラがあり、調子が悪い時にはシュートの決定率が低下する。
- 攻撃面での主役性の欠如
- サポート役としての起用が多く、攻撃での存在感が控えめに映る場合がある。
フェデリコ・バルベルデは、現代サッカーにおける理想的なボックス・トゥ・ボックス型ミッドフィールダーであり、圧倒的な運動量と高い戦術理解力でチームの中核を担う選手である。一方で、チーム事情による役割の制約が彼の持つ才能を完全には引き出せていないことが課題。適切な役割を与えられることで、さらなる成長とチームへの貢献が期待される。
ルカ・モドリッチ
長所
- 卓越したボールコントロールとプレッシャー回避能力
- 正確で柔らかいボールタッチにより、どんな状況でもボールを失わない安定感。素早い判断でプレッシャーを無効化し、攻撃の起点を作る。
- 多彩で正確なパス能力
- ショートパスからロングパス、キラーパスまで幅広く対応し、ゲームを支配。右足アウトサイドキックは彼の代名詞。
- 高い運動量と守備力
- 広範な活動範囲とスタミナを持ち、攻守両面で貢献。守備では優れたポジショニングとインターセプト能力を発揮。
- ゲームメイクとリーダーシップ
- 試合の流れを読み、適切にテンポを調整する能力。代表チームではキャプテンとしてチームを牽引。
- ビッグゲームでの強さ
- チャンピオンズリーグやワールドカップなどの大舞台で、重要なゴールやアシストを量産。クラッチプレーヤーとしての評価が高い。
- 安定したパフォーマンス
- 怪我が少なく、多くの試合に安定して出場できる耐久性。
短所
- 得点やアシストの量的な少なさ
- 攻撃ポイント（ゴールやアシスト）の数値が、同時代の他のトップ選手と比較すると相対的に低い。
- 体格の小ささ
- 身体的なサイズが小さく、フィジカルで劣る場面がある。ただし、これを補うバランス感覚と判断力を持つ。
ルカ・モドリッチは、現代サッカーを代表するプレーメーカーであり、卓越したテクニックと戦術理解力、そしてビッグゲームでの影響力を兼ね備えた選手である。一方で、攻撃面での数値的な成果は少ないが、それを補う形で試合全体に与える影響力は計り知れない。彼は歴代最高の中央ミッドフィールダーの一人として広く評価されている。
オーレリアン・チュアメニ
長所
- 優れたフィジカルと耐久性
- 188cm、82kgの恵まれた体格と長い足を活かし、空中戦や地上戦で優位に立つ。身体の柔軟性とバランスも高水準。
- 守備力とボール奪取能力
- 相手のボールをカットする能力に優れ、奪取後のカウンター開始にも積極的に関与。
- ビルドアップと攻撃参加
- ロングパスや中距離シュートの正確性が高く、攻撃の起点として貢献。ビルドアップにおいても安定感がある。
- ボールコントロールとプレッシャー回避能力
- ポグバのような滑らかなボールコントロールを持ち、相手のプレッシャーにも対応できる。
- 戦術的柔軟性
- センターバックとしても代替的にプレー可能で、一定のパフォーマンスを発揮。
短所
- 攻撃性と積極性の不足
- 守備時の積極性に欠け、重要な場面で消極的なプレーが見られることがある。これが失点に繋がるケースも。
- 左足の活用不足
- 左足をあまり使用せず、プレーの選択肢が限定される。
- 成長の遅さ
- 移籍後のパフォーマンスが期待値を下回ることがあり、特に攻守のリズムや継続性に課題。
- 軽度の怪我とパフォーマンスの不安定さ
- 重要な試合で軽い怪我に悩まされることがあり、安定した出場が難しい場合がある。
- スピード不足
- フィジカルは優れているが、スピードが不足しており、素早い相手には対応が遅れることがある。
チュアメニは、伝統的な守備的ミッドフィールダーとして優れたフィジカル、守備力、ビルドアップ能力を兼ね備えた選手である。一方で、守備時の積極性や左足の活用といった細かな課題を克服することで、さらに高いレベルのパフォーマンスが期待される。成長が遅い面もあるが、特に代表チームでの安定したパフォーマンスを見ると、適切な環境と指導が鍵となる選手である。
ダニ・セバージョス
長所
- 卓越したボールコントロールとドリブル能力
- 低重心で滑らかなボールタッチが特徴。2人の守備を交わすユニークなフェイントやトラップが得意。
- 精度の高いパス展開
- ショートパスを駆使して安定したビルドアップを行い、プレッシャーを効果的に回避する。パス＆ムーブのスタイルを体現。
- セットプレーの技術
- 良質なキックを持ち、セットプレーで貢献できるポテンシャルがある。
- 高い運動量
- 試合平均12km以上をカバーするアクティビティ。中盤での守備参加が評価されている。
- 成熟したプレースタイル
- 経験を積むにつれてテンポを崩す無駄なプレーが減り、効率的な中盤の司令塔として機能。
短所
- スコアポイントの少なさ
- 元攻撃的MFでありながら、ゴールやアシストが少ない。セットプレーやミドルシュートからの得点機会が限られる。
- 守備力の課題
- 守備への積極的な参加は見られるものの、タックル精度やポジショニングに課題があり、ファウルやカードを受ける場面が多い。
- 一貫性の不足
- アーセナル時代にはパフォーマンスの波が激しく、信頼を得られない場面があった。
- フルシーズンでの信頼性の欠如
- トップチームでフルシーズンのレギュラーとして力を証明した経験がなく、ジョーカーや準主力としての起用が多い。
- フィジカルの弱点
- 過密日程や高強度の試合ではパフォーマンスが低下する傾向がある。
セバージョスは、ドリブルやパス展開で中盤のゲームメイクに貢献できる技術的な選手である。一方で、攻撃ポイントの少なさや守備面の課題があり、安定したフルシーズンのパフォーマンスを示すことが求められる。ジョーカーやサポート役としては非常に有用だが、完全な主力選手としての地位を確立するには、さらなる進化が必要とされる。
FW
ヴィニシウス・ジュニオール
長所
- 圧倒的なスピードと瞬発力
- 瞬時に相手守備ラインの裏を抜けるスピードと加速力で、カウンター攻撃において絶大な破壊力を発揮。
- 卓越したドリブル能力
- 高い身体バランスと柔軟性を活かしたブラジルスタイルのドリブルで、複数のマーカーを突破可能。成功率の高いドリブルは欧州トップレベル。
- 決定力の向上
- 2021-22シーズン以降、フィニッシュ精度が大幅に改善。両足を使いこなしたシュートと多彩なキックでゴールを量産。
- 守備参加と持久力
- 高頻度で守備に貢献し、相手ボールを奪取してカウンターを展開する。頻繁なスプリントにもかかわらず、ケガが少なく耐久性が高い。
- 重要試合での強さ（クラッチプレーヤー）
- チャンピオンズリーグ決勝などの大舞台で得点やアシストを記録するなど、重要試合でのパフォーマンスが際立つ。
- 精神的な成長
- レアル・マドリードでエースとして成長し、2024 FIFA最優秀選手賞を受賞。クラブではチームの象徴としてプレッシャーに応える。
短所
- 精神面の課題
- 挑発に対する過敏な反応や不必要な抗議でカードを受ける場面が多く、イメージ低下やチームへの悪影響を招く。
- 代表チームでの低調なパフォーマンス
- クラブでの実績に比べ、ブラジル代表では期待外れのパフォーマンスが続き、攻撃ポイントや影響力が不足。
- フィニッシュの不安定さ
- シーズンごとにばらつきがあり、特に簡単なチャンスを逃す場面が依然として見られる。
- メンタルの影響による粗暴な行動
- 不要なファウルや乱暴な行動が増え、特に2023-24シーズン以降、フェアプレー精神を欠く場面が目立つ。
ヴィニシウスは現在のサッカー界を代表するウィンガーであり、スピード、ドリブル、決定力という点で非常に高い評価を受けている。一方で、精神面や代表チームでのパフォーマンス改善が求められる。これらの課題を克服できれば、名実ともにブラジルと欧州サッカーを象徴する存在として、その地位をさらに確立できるだろう。
キリアン・エムバペ
長所
- 圧倒的なスピード
- 最高速度39km/hを記録し、瞬発力と持続力を兼ね備え、カウンター攻撃で破壊的な効果を発揮。
- スプリント中でも安定したボールコントロールが可能で、相手守備を容易に崩壊させる。
- 優れたドリブル能力
- 高速の切り返しやステップを駆使し、ディフェンダーを突破。体格の成長により、フィジカル面でも優位に立つ。
- 決定力と得点能力
- 両足を使いこなし、遠近問わず多様なシュート技術を駆使。特にニアポストとファーポストへのシュート精度が高い。
- 冷静なゴール前での判断力とチームプレーも備え、得点機会の演出にも優れる。
- 柔軟なポジション適応能力
- 左ウィングやツートップとしてもプレー可能。ストライカーと組むことでさらに効果を発揮。
- ビッグマッチでの強さ
- ワールドカップやチャンピオンズリーグの大舞台で重要なゴールを量産し、クラッチプレーヤーとして高い評価。
- 若くしての実績
- ワールドカップとチャンピオンズリーグの両方で得点記録を塗り替え続け、歴史的な選手への道を歩む。
短所
- 活動量と守備貢献の少なさ
- 試合中の走行距離が平均的に少なく、プレスや守備面での貢献が物足りない。
- 調子による波
- コンディションが悪い時は、オフサイド多発やビッグチャンスの失敗が目立つ。プレッシャーのかかる場面では起伏がある。
- ゲームへの関与不足
- チームが押される展開では存在感が薄れることがあり、守備的なチームとの対戦では効果が減少。
- メンタルの不安定さ
- プレスや試合の流れに対する対応が未熟で、リーダーとしての安定感が求められる。
- 得点チャンスの精度に課題
- 特にヘディングやフィニッシュの場面で、ディテールが不十分な場面がある。
キリアン・エムバペ（エンバペ/ムバッペ）は、スピード、ドリブル、決定力を兼ね備えたモダンサッカーの象徴的な攻撃選手であり、若くして歴史的な実績を築き上げている。一方で、守備面や活動量、調子の波といった課題を克服することで、さらに総合的な選手として成長する可能性を秘めている。特に重要な試合での決定力は群を抜いており、今後もサッカー界をリードする存在であり続けるだろう。
ロドリゴ
長所
- 繊細なドリブル能力
- 狭いスペースでのプレッシャー回避や細かいボールタッチが得意。左足も器用に使い、即興性に優れたプレーを展開。
- 冷静なフィニッシュ
- 技術的な正確さを活かし、ゴール前で落ち着いて決める能力を持つ。内外両方の足で多彩なシュートが可能。
- クラッチ力
- 大舞台での活躍が目立ち、特にチャンピオンズリーグでは決定的な場面でゴールを決める勝負強さを発揮。
- ポジションの柔軟性
- 主に右ウィングで起用されるが、左ウィングやセカンドストライカーとしても適応可能。連携プレーに強みを持つ。
- メンタルの強さ
- 若くして重要な試合で結果を出し、チームへの信頼が厚い。
短所
- 際立った特徴の欠如
- オールラウンドな能力を持つ一方で、特定の分野で突出した強みがないため、他のスター選手と比較すると埋もれることがある。
- 波のあるパフォーマンス
- シーズンを通して調子にムラがあり、低調な時期には存在感を欠くことがある。
- 適切なポジションの不安定さ
- チーム事情や選手層の厚さにより、本来の適性を活かせない起用が見られる。
ロドリゴは、繊細な技術と大舞台での勝負強さを持つ、現代サッカーで貴重な万能型ウィンガーである。一方で、特定のポジションに定着できていないことや、安定感に欠けるパフォーマンスが課題として挙げられる。さらなる成長と役割の確立ができれば、ヴィニシウスやベリンガムと並ぶスター選手になる可能性を秘めている。
アルダ・ギュレル
長所
- 流れるようなドリブルとプレッシャー回避能力
- 繊細なボールタッチと瞬発力を活かして相手守備を突破。スペースを作り、攻撃をスムーズに展開できる。
- 多彩なパス技術
- クラッチパスを駆使し、さまざまなピッチでのボール配給が可能。ハーフスペースやトランジションでのボール供給が得意。
- プレイメイキングの柔軟性
- 3列目に下がってビルドアップに関与するなど、現代的なプレイメーカーとして多様な役割をこなす。
- セットプレーの精度
- チームのセットプレーキッカーとして、質の高いボールを供給する能力がある。
- 将来性の高さ
- 若干18歳で成熟したプレーを見せ、現代的なプレイメーカーとして成長の余地が大きい。
短所
- パスや判断の精度不足
- 特に相手陣内でのパスタイミングや判断が未熟で、決定的なプレーの精度を欠く場面がある。
- フィニッシュの課題
- 突破後のフィニッシュがまだ改善の余地があり、決定力に欠ける場面が見られる。
- フィットネスと怪我のリスク
- 膝の負傷歴やフィットネスの問題があり、一貫したコンディション維持が課題。
- フィジカルの未熟さ
- 相手のプレスや激しい競り合いにおいてフィジカル的な弱さが目立つ。
ギュレルは、ドリブル、パス、ゲームメイクのスキルに優れた現代型プレイメーカーであり、将来の成長が期待される選手である。一方で、フィニッシュ精度やフィジカル面、怪我のリスクが課題となっており、これらを克服することでトップクラスのミッドフィールダーとしての地位を確立できる可能性を秘めている。
エンドリッキ
長所
- 卓越したシュート能力
- 左足から放たれる強力で正確なシュートはどの角度からでも決定的。ゴールへの嗅覚が鋭く、結果を出す能力に優れる。
- 優れた身体能力
- 173cmと小柄ながらも、太い太ももとバランスの取れた体格を持ち、フィジカルコンタクトでも倒れにくい。瞬発力とターンの速さも武器。
- 攻撃的多才さ
- ゴールを背負った状態からのプレーやターンしての攻撃展開が得意。総合的なフォワードとしての完成度が高い。
- 優れたドリブル能力
- 1～2人を簡単に抜き去る能力があり、狭いスペースでの突破も可能。
- ポテンシャルの高さ
- 若くして大舞台で結果を出しており、さらなる成長が期待される。
短所
- プレーメイキングの未熟さ
- 細かい連携プレーに改善の余地あり。
- 空中戦での弱さ
- 身長173cmとストライカーとしては低く、空中戦での不利が目立つ。ただし、成長の可能性は残されている。
- 存在感の欠如
- ボールを保持していない場面では、試合への関与が薄れることがある。
- メンタリティの課題
- ブラジルからラ・リーガへの移行期で、プレッシャーや環境適応に苦戦する可能性が指摘されている。
エンドリッキは、ゴールへの本能的な嗅覚、卓越したシュート力、そして優れた身体能力を兼ね備えた将来有望なフォワードである。一方で、空中戦やプレーメイキングなど改善すべき点も多く、特に国際舞台での適応力と安定感が課題となる。これらを克服できれば、ブラジルの伝説的ストライカーたちと肩を並べる存在になる可能性を秘めている。
ブラヒム・ディアス
長所
- 両足の高いスキル
- 完璧に近い両足使いで、ドリブルやキックの際にどちらの足でも正確にプレーでき、相手にとって守備が非常に困難。
- 優れたドリブル能力
- 高い瞬発力と柔軟なボールタッチを駆使し、密集地帯で相手をかわす能力に長けている。
- 攻撃ポイントの生産性
- 質の高いパスやシュートでアシストやゴールを生み出す力を持ち、カーブを効かせたシュートや予想外の角度からのキックで得点を狙える。
- スタミナとアクティビティ
- オン・ザ・ボールだけでなく、オフ・ザ・ボールの動きにも優れ、ボックスへの侵入を積極的に試みる。
- ケガの少なさ
- 耐久性が高く、負傷がほとんどない点はチームに安定感と活力をもたらす。
短所
- フィジカルの弱さ
- 小柄な体格により、ボール奪取やフィジカルを活かしたプレッシャーには苦戦しがち。ただし、最近のバルクアップにより改善傾向あり。
- 視野の狭さ
- 頭を上げてプレーすることが少なく、パスすべき場面でドリブルやシュートを選択して好機を逃す場面が散見される。
- 攻撃テンポの遅れ
- ボールを受けてからドリブルを優先する傾向があり、攻撃のリズムが遅れることがある。
- 対フィジカル戦術への弱さ
- 対戦相手がフィジカルなプレッシャーを強めると、影響力が減少する傾向がある。
- 一貫性の欠如
- パフォーマンスに波があり、フィジカルの影響を受けやすい状況では特に不安定。
ディアスは、両足を自在に使いこなす技術と高いドリブル能力で攻撃に貢献する多才なプレーヤーである。ただし、フィジカルの弱さや視野の狭さがプレーの質を制限しており、攻撃テンポの調整や状況判断の向上が課題となる。攻撃的MFとしての可能性は高いが、フィジカル的な課題を克服し、視野を広げたプレーができれば、さらに成長が期待される選手である。
