ジェレミー・フリンポンは、オランダ出身の超攻撃的なWB/SBである。現在はレバークーゼンで主に右ウイングバックを務めており、その圧倒的な攻撃性能で世界中の注目を集めているところだ。この記事ではそんなフリンポンについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2000/12/10 |
国籍 | オランダ |
身長 | 172cm |
ポジション | DF/MF |
利き足 | 右 |
キャリア初期
フリンポンのキャリアは、9歳で加入したマンチェスター・シティのユースアカデミーから始まった。シティでは、プレミアリーグ2やUEFAユースリーグに定期的に出場し、トップチーム昇格を期待されたが、2019年にスコットランドのセルティックへ移籍した。同年9月にプロデビューを果たし、その後すぐにチームの主力として定着。デビュー戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるなど、そのスピードと攻撃力はファンからも高い評価を得た。2019年10月には初ゴールを記録し、同年12月にはスコティッシュリーグカップ決勝で優勝を経験した。
レバークーゼンでの躍動
2021年1月、フリンポンはドイツのバイエル・レバークーゼンに移籍。移籍後すぐにレギュラーに定着し、ブンデスリーガでの存在感を増していくことに。すると2023-24シーズンには、レバークーゼンがブンデスリーガで無敗優勝を果たす上で大きな役割を果たした。なお、2023年にはクラブとの契約を2028年6月まで延長したが、契約には約3500万ポンドの解除条項が含まれているという。
オランダ代表キャリア
代表キャリアにおいて、フリンポンはオランダ、ガーナ、イングランドのいずれかの代表を選択できたが、オランダを選んだ。ユース年代ではU-19からU-21までオランダ代表としてプレーし、2022年にはカタールワールドカップのメンバーにも選ばれたが、試合出場はなかった。2023年10月にはオランダA代表として公式戦デビューを果たし、2024年6月にはカナダとの親善試合で初ゴールを挙げた。
プレースタイル
ここからは、フリンポンのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼はWB/SBとして並外れた爆発力を有しており、そのインパクトは計り知れないものがある。
スピードとドリブル
フリンポンのプレースタイルにおける最大の特徴は、その圧倒的なスピードと卓越したドリブル技術である。彼のスピードはドイツ・ブンデスリーガでもトップクラスで、最高速度は35.96km/hを記録している。右サイドを駆け上がる際、フリンポンは爆発的な加速力を駆使し、相手ディフェンダーを置き去りにする。そのスピードは相手にとって常に脅威であり、1対1の状況で彼を止めるのは容易ではない。
またドリブルの際、彼は素早い方向転換と緻密なボールコントロールにより、密集したエリアでも難なく相手をかわしていく。そのため、攻撃時にはサイドから中央へカットインして自らシュートを放つ場面や、相手守備を引きつけながら味方に得点機会を提供する場面が多い。これにより、フリンポンはチームの攻撃の重要な役割を担っている。
パスとチャンスメイク
フリンポンのドリブル突破は、その後にパスによるチャンスメイクへとつながりやすい。彼が敵陣深くへボールを持ちこんだ際に選択されるクロスや(ラスト)パスはチームにとって大きな武器であり、しばしば決定的なチャンスを生み出している。
実際、フリンポンは2022-23シーズンには全公式戦で11アシスト、2023-24シーズンにも12アシストをマークした。彼が卓越したチャンスメーカーでもあることを示す何よりの数字だろう。
得点力
フリンポンはウィングバックでありながら、ゴールを決める能力にも優れている。得点チャンスとみるや、彼は持ち前のスピードを活かして相手ペナルティエリア内へと積極的に侵入。ファーサイドで味方からのクロスに合わせたり、ゴール前でのリバウンドや相手ディフェンスのミスを逃さず押し込んだりして、得点へと結びつける。
事実、彼は2022-23シーズンには全公式戦で9ゴールを記録し、2023-24シーズンでは14ゴールを挙げた。この数字はウィングバックとしては驚異的であり、彼が単なるアシスト役に留まらないことを示している。相手ディフェンダーはフリンポンの動きを常に警戒しなければならない。彼の得点感覚とフィニッシュ技術は、レバークーゼンの攻撃における優れた「飛び道具」として大いに機能している。
守備貢献
圧倒的な攻撃性能に比し、守備面におけるフリンポンの貢献は限定されている。特に、守備時の状況判断能力に関して粗削りな印象は拭えず、改善の余地は大きいだろう。とはいえ、彼のスピードと敏捷性は守備においても活かされやすく、例えば相手のカウンターアタックを阻止するために迅速に戻ることが可能だ。
また、レバークーゼンにおけるシャビ・アロンソ監督の戦術では、フリンポンは守備時に高い位置からプレッシャーをかけ、相手のミスを誘発する役割を果たしている。特に、相手陣内でのプレスによってボールを奪った場合、素早いカウンターアタックに繋げることができるのは彼の大きな強みである。
プレー動画
まとめ
ジェレミー・フリンポンは、現在の欧州サッカー界において最も注目を集めるウィングバック/サイドバックの一人である。彼の爆発力は世界屈指であり、適切な戦術の下でプレーした場合、それがどれほどの効果をもたらすかはレバークーゼンが実証している。まだまだ若い彼は今後の更なる成長と活躍が期待されており、ここからどれほどの進化を遂げるか非常に楽しみだ。