アレクサンデル・イサクは、スウェーデン代表のストライカーである。現在はイングランドのニューカッスルでプレー。同国出身のレジェンド選手、ズラタン・イブラヒモビッチとも比較されるなど、そのパフォーマンスが高く評価されているところだ。この記事ではそんなイサクについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 1999/09/21 |
国籍 | スウェーデン |
身長 | 192cm |
ポジション | FW |
利き足 | 右 |
キャリア初期
イサクは6歳で地元クラブAIKのユースチームに入団し、2016年に16歳でトップチームデビュー。同年のオールスヴェンスカン(スウェーデンリーグ)では10得点を記録し、クラブ史上最年少得点者にもなった。
その卓越した才能が多くのクラブに注目された結果、イサクは2017年1月にボルシア・ドルトムントへ移籍することになる。しかしドルトムントではあまり出場機会に恵まれず、2019年1月にはオランダのヴィレムIIへレンタル移籍。16試合で13得点・7アシストを挙げるなど、エールディヴィジ(オランダリーグ)では成功を収めた。
すると2019年7月、イサクはラ・リーガのレアル・ソシエダへ完全移籍。ここで彼の才能が本格的に開花し、通算3シーズンで計132試合に出場し44ゴール・8アシストを記録した。
ニューカッスルへの移籍
2022年8月、イサクはイングランドのニューカッスル・ユナイテッドに加入。この移籍には7000万ユーロもの大金が費やされ、ニューカッスルによる選手獲得額・ソシエダによる選手放出額のレコードそれぞれを塗り替えた。
加入初年度のイサクは怪我に悩まされたものの、リーグ戦22試合で10ゴールと二桁得点をマーク。すると、翌2023‐24シーズンにはリーグ戦30試合で21ゴールと素晴らしい成績を残し、プレミアムリーグにおけるスウェーデン人選手のシーズンゴール数記録を更新した(※なお更新前は、2016ー17シーズンにイブラヒモビッチが記録した17ゴールだった)。
スウェーデン代表キャリア
イサクは2017年1月にスウェーデンでA代表デビューを果たし、2試合目となるスロバキア戦で初ゴールを記録。歴代最年少ゴールスコアラーとして名を残した。2019年ごろからA代表に定着すると、UEFA欧州選手権2020にも主力として出場。その後もスウェーデン代表の攻撃の中心を担い続けている。
プレースタイル
ここからは、イサクのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。先述の通り、イサクはスウェーデン出身選手であることによりイブラヒモビッチと比較されることも少なくない。しかし、彼の実際のプレースタイルはイブラヒモビッチよりもティエリ・アンリ(フランスのレジェンド選手)に近い。イサク自身もアンリを憧れの選手として挙げており、その柔軟性やスピード、そしてゴール前での冷静さは彼を彷彿とさせるところがある。
スピードと敏捷性
イサクは192cmという長身にもかかわらず、敏捷性に優れているのが特徴的だ。軽やかなフットワークと柔軟な身のこなしでプレーするため、ボールコントロール後の動作が非常にスムーズである。
また、イサクは爆発的な加速力で相手ディフェンスラインを突破する力を持っており、チャンピオンズリーグでは33km/hを超えるトップスピードを記録。仕掛ける際には持ち味のスプリントとアジリティを組み合わせることで、対面の相手ディフェンダーを脅威にさらしている。
ドリブル能力
イサクのドリブル能力は、他の一般的なストライカーと一線を画す重要な要素である。彼は2023-24シーズンのプレミアリーグにおいて、ドリブル突破成功率が50%以上を記録しているが、これは5大リーグのフォワードの中で上位5~10%に入る数字だ。ファーストタッチが柔らかく、両足を正確に使い分けるため、相手にとってイサクのドリブルを止めるのは難しい。また、先述の通りアジリティやスピードに優れており、狭いスペース・オープンスペースを問わず突破可能である。
得点能力
イサクはゴール前での冷静さが際立っており、特にボックス内でのシュート精度が高い。特に、柔らかなタッチで相手マーカーを剥がしつつ、右足で冷静にゴール隅を狙う形が得意だ。また、アンリを彷彿とさせる左斜めからのシュートやアクロバティックな得点も見られる。一方で、長身の割にヘディングによる得点は比較的少ない。
戦術的柔軟性
イサクは戦術的柔軟性にも長けているため、試合状況に応じて多様な動きを見せることが可能である。例えば、サイドに流れてウインガー的な役割をこなすことはもちろん、中盤に下がってボール循環に深く関与するといった攻撃の起点としても機能。こうしたプレーの幅の広さは、イサクを多機能型ストライカーたらしめる要因となっている。
守備能力
イサクは先述した敏捷性とスピードを活かすことで、前線から積極的にプレスを仕掛けることができる。こうした守備面での貢献はラ・リーガのソシエダ時代から継続しており、ニューカッスルでもエディ・ハウ監督の指示に従い、献身的な守備を行っている。。
ウィークポイント
イサクはスリムな体型で高重心のため、大型ストライカーながらセンターバックとのフィジカルなデュエルを得意としていない。また、空中戦を避ける傾向があり、ヘディングでの競り合いやボディコンタクトを伴うポストプレーの精度が課題となっている。
プレー動画
まとめ
アレクサンデル・イサクは、スピード、テクニック、得点力を兼ね備えた非常に優秀なストライカーである。今後は自らの体格的なアドバンテージをより活用する術を身に付けていくことで、世界最高峰のストライカーとして名を刻む可能性もあるだろう。ステップアップの可能性も含め、これからも彼の動向には目が離せない。