エンドリッキのプレースタイルを徹底解説:トップクラスのポテンシャルを秘めたストライカー

選手紹介

エンドリッキは、ブラジルの若き才能の中でも特に注目を集めているストライカーである。現在はスペインのレアル・マドリードに所属しており、そのポテンシャルを示しているところだ。この記事ではそんなエンドリッキについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2006/07/21
国籍ブラジル
身長173cm
ポジションFW
利き足

キャリア初期

エンドリッキは11歳でパルメイラスのユースチームに加入し、5年間で169試合に出場して165得点を記録。また、2022年にはコパ・サンパウロ・ジ・フチボウ・ジュニオール(各クラブのユース世代で競うブラジルのカップ戦)に出場し、7試合で8得点を挙げて大会最優秀選手に選ばれた。同大会でパルメイラスを初優勝に導いたことで、国際的な注目を集め、多くのヨーロッパの強豪クラブが彼に関心を示した。

2022年10月6日、エンドリッキは16歳2カ月16日という若さでパルメイラスのトップチームにデビューし、クラブ史上最年少選手として公式戦に出場。同年10月25日にはブラジル全国選手権(セリエA)で2得点を挙げ、リーグ史上2番目に若い得点者となった。11月2日、パルメイラスはセリエAの優勝を決定し、エンドリッキもその試合で得点を挙げてチームの成功に貢献。彼は同シーズンを通じて7試合に出場して3得点を記録し、リーグの最も有望な若手選手に選出された。

エンドリッキの評価は国内外で高まり、2023年にはイギリスの新聞『ガーディアン』によって「2006年生まれの世界最高の才能の一人」に選ばれた。翌年には、セリエAで11得点を記録し、18歳未満の選手としては歴代2位の記録を樹立。この間、パルメイラスはリーグ2連覇を達成し、エンドリッキはその成功の中心人物の一人であった。

レアル・マドリードへの移籍

2022年12月15日、レアル・マドリードはエンドリッキの獲得を発表し、2024年7月に彼が18歳になるタイミングでの移籍が決定した。契約金は最大で7200万ユーロと一部で報じられている。2024年7月27日、サンティアゴ・ベルナベウで正式にレアル・マドリードの選手としてお披露目され、同年8月25日のラ・リーガ開幕戦でデビュー。その試合で途中出場した彼は、86分にクラブ史上最年少の外国人得点者としてゴールを決めた。また、9月17日にはUEFAチャンピオンズリーグでも初得点を挙げ、同大会におけるクラブおよびブラジル史上最年少得点者となった。

ブラジル代表キャリア

国際キャリアにおいて、エンドリッキは2022年にU-17ブラジル代表としてモンテギュー・トーナメント(ユース大会)に出場し、5得点で大会得点王および最優秀選手に輝いた。その後、U-20およびU-23代表にも選出され、2023年にはブラジルA代表に初招集された。すると2024年3月、イングランドとの親善試合で初得点を記録し、続くスペイン戦でも得点を記録。同年のコパ・アメリカでは、グループステージで途中出場を重ね、準々決勝では初先発を果たした。

プレースタイル

ここからは、エンドリッキのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルは、かつて世界を席巻したロマーリオ、ロナウドなどといったブラジルの伝説的ストライカーを彷彿とさせるものがある。卓越したゴール嗅覚と破壊力のあるシュートを武器に、次世代を担う存在として期待されている選手だ。

高精度の左足と打開力

エンドリッキの最大の武器は、左足から放たれる強力で正確なシュートである。彼はどの角度からでもゴールを狙うことができ、シュートポジションを的確に見極める能力に優れている。ゴールを奪うための最適な位置に移動する動きが洗練されており、卓越した本能とシュートセンスを持つ選手だ。

また、エンドリッキは瞬時に加速して危険なエリアに侵入し、シュートチャンスを作り出す敏捷性にも秀でている。相手ディフェンダーをかわすドリブル能力も高く、1~2人を簡単に突破する場面が多く見られる。

フィジカルの強さとボディバランス

エンドリッキは身長173cmとストライカーとしては低めではあるが、非常に魅力的なフィジカル的資質を備えている。特に厚みのある太ももを基盤とした筋力と安定感のある体幹が特徴的である。この部分に関しては、身体的な成熟が期待される今後数年間で更に強力な武器になる可能性が高い。

また、エンドリッキは接触プレーにおいても簡単に倒れることはなく、バランスを保ちながらシュートまで持ち込む力を持つ。足首も強いため、体勢が崩れた状況でも鋭いシュートをゴールに叩き込むシーンが多い。さらに、彼は素早いターンや方向転換によるキープ力も優れており、万能型フォワードとしての資質を感じさせる。これらの特長により、ゴールを背にしたプレーでも正面を向いたプレーでも効果的な動きを見せるのだ。

ウィークポイント

一方、エンドリッキにも改善すべき点がいくつかある。まず、多くの若手選手に共通する課題ではあるが、敵味方の位置関係に応じたポジショニングやプレー選択といった判断面が挙げられる。ボールを持っていない場面での存在感が薄い点が指摘されており、今後は試合全体への影響力を高める必要があるだろう。

また、身長が低いため、空中戦やヘディングにおいて不利を被ることがある。さらに、ブラジル時代からのラフプレーが批判の対象となっている点も見逃せない。こうしたプレースタイルの改善が進めば、より高いレベルでの活躍が期待できるだろう。

プレー動画

まとめ

エンドリッキは現在、強力なフィジカルと鋭いシュート力、抜群のゴール嗅覚を武器に頭角を現している。ここから判断能力や空中戦といった課題を克服することで、さらなる成長と活躍が期待できるだろう。彼の万能性や得点力を考えれば、将来的には世界トップクラスのフォワードに到達する可能性が高い。エンドリッキのプレーには、ブラジルサッカーの伝統と未来が共存しており、彼の成長を見守ることはサッカーファンにとって大きな楽しみである。