クヴィチャ・クワラツヘリアのプレースタイルを徹底解説:変幻自在のスーパードリブラー

選手紹介

クヴィチャ・クワラツヘリアは、その卓越した技術とスピード、ドリブル能力により、世界のサッカーファンから注目されている選手である。メインポジションは左ウィンガー。2025年1月、彼はパリ・サンジェルマン(PSG)への移籍が発表されており、さらなる注目と期待が寄せられているところだ。この記事ではそんなクワラツヘリアについて紹介していきたい。

基本情報・成績

生年月日2001/02/12
国籍ジョージア
身長183cm
ポジションFW
利き足両足

キャリア初期

クワラツヘリアのキャリアは、ジョージアの名門クラブであるディナモ・トビリシのユースチームでスタートした。2017年、16歳の時に同クラブでプロデビューを果たし、その後、同国内のルスタビに移籍し18試合で3得点を記録。その才能は早くも国際的に注目され、ドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンが関心を示したが、ロシア・プレミアリーグのロコモティフ・モスクワへのレンタル移籍が決定した。

ロコモティフ・モスクワでは1シーズンだけプレーし、その後、同リーグのルビン・カザンと契約を締結。ルビン・カザンでの3年間、彼は69試合に出場し9得点を挙げ、ロシア・プレミアリーグのベストヤングプレーヤー賞を2度受賞するなど、さらなる成長を遂げた。ロシアリーグでの評価を確立したクワラツヘリアは、2022年にロシア・ウクライナ戦争の影響でジョージアのディナモ・バトゥミへ移籍し、11試合で8得点を記録する活躍を見せている。

ナポリでの飛躍

2022年7月、彼はイタリア・セリエAの強豪SSCナポリに移籍し、ここで大きな転機を迎える。クワラツヘリアはナポリのウィングで即座に重要な役割を果たし、デビュー戦でゴールを決めるなど華々しいスタートを切った。彼のパフォーマンスは素晴らしく、セリエAの8月の月間最優秀選手にも選ばれている。その後もゴールとアシストを量産した結果、2022-2023シーズンにはナポリの33年ぶりとなるセリエA優勝に貢献。公式戦43試合で14ゴール・14アシストを記録し、自身もシーズンMVPとチャンピオンズリーグの最優秀若手選手に選出された。

続く2023ー24シーズンは、リーグ戦34試合で11ゴール・8アシスト、全公式戦では45試合で11ゴール・9アシストを記録。ドリブル成功数や局面打開能力で健在ぶりを示したものの、序盤の怪我やチームの不振の影響もあり、そのパフォーマンスは昨季よりも安定しなかった。

2024ー25シーズンもナポリでスタートしたが、シーズン途中に移籍希望を公言。すると2025年1月、約7000万ユーロと報じられる金額でパリ・サンジェルマンへの移籍が発表された。

ジョージア代表での活躍

クワラツヘリアはナポリだけでなく、ジョージア代表でも重要な選手となっている。彼は2019年にジョージア代表デビューを果たし、2020年にはUEFAネーションズリーグで初得点を記録。その後、2022年のワールドカップ予選でもスペインやギリシャ相手に得点を挙げ、ジョージア代表の攻撃の中心選手として名を馳せるようになった。さらに、2024年にはジョージア代表を初のUEFA欧州選手権出場に導き、ポルトガル戦で大会初ゴールを決めるなど、同国の歴史的な躍進に貢献した。

数々の個人賞

躍動を続けるクワラツヘリアは、若くして既に多くの個人トロフィーを獲得している。2020年から2023年まで4年連続でジョージア年間最優秀選手に選ばれたほか、セリエAでも数々の個人賞を受賞。また、チャンピオンズリーグの舞台でも有望な若手選手として名を馳せ、2022-2023シーズンのUEFAチャンピオンズリーグにおいては若手最優秀選手に輝いた。

プレースタイル

ここからは、クワラツヘリアのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼のプレースタイルを特徴づけるのは、その卓越したボールキャリー能力である。彼はヨーロッパの五大リーグで最も効果的なボールキャリアーの一人として評価されており、2023-24シーズンにおいて、61回ものシュートに関与した。その内の約53%は彼がボールを6メートル以上運んだ後に生み出されたものであり、彼のボール運びがいかに攻撃の要となっているかを示している。

ボールキャリーの判断基準

クワラツヘリアがどのようにボールを運ぶかを決める際には、主に二つの状況が関係してくる。まず一つ目は、明確なゴールチャンス(有効なスペース)がない場合である。シュートやパスが有効な選択肢でないと判断したとき、彼は自らボールを運ぶ(キープする)ことを選択する。例えば、相手ディフェンス陣がブロックを作り密集している場面において、ドリブルやクロスの好機がないと判断した場合、主にサイドにてボールをキープしながら攻撃の幅を広げる。これにより相手の注意を引き付けつつ、周囲の味方に時間とスペースを作り出そうとするのだ。このような状況では、クワラツヘリアのゲームメイカーとしての側面が強調される。

二つ目は、前方にスペースが広がっている場合である。前方にスペースが見えた場合、彼はドリブラーとして迷わず一気にスペースにボールを運び、相手守備を切り裂いてゴールに迫る傾向が強い。その際にも彼は常に頭を上げて状況を確認し、相手がスペースが閉じてきた場合には小さなタッチに切り替えるなど、相手の動きを読みながら次の動きを決定する。このようなスペース認識ボールコントロールが、彼のプレーにおける大きな特徴である。

両足を使った仕掛けとフィニッシュ能力

クワラツヘリアは、左右両足を自在に使いこなすことができるため、どちらの方向にもドリブルやシュートが可能である。ドリブルは基本的に右足で行うが、ラストパスやシュートのタイミングで左足が必要になれば、積極的に左足も使用する。また、ドリブルで仕掛ける際には縦への突破中央へのカットインという2つのハイレベルな選択肢を持っており、どちらの方向にも切り返して攻撃してくる彼の動きは相手ディフェンダーにとって非常に捉えにくい。さらに、クワラツヘリアはフィニッシュ時にも両足を使いこなすことで、相手ゴールキーパーに対しても常に多様な攻撃を仕掛けることができる。

彼のゴールは単に「美しい」ものを追求するのではなく、状況に応じた現実的なフィニッシュを行うよう進化している。これにより、どんな形のゴールチャンスでも確実にものにする能力が備わっているのだ。

ボールコントロール

クワラツヘリアのボールキャリーにおいて重要なのは、彼が常にボールを相手ディフェンダーの足が届かない位置にキープすることである。相手がタックルを試みても、ボールを失うことなく進行する彼の技術は高く評価されている。広いスペースでは大きなタッチを使用し、スペースが狭くなると小さなタッチに切り替えるといったように状況に則したドリブルができるため、相手ディフェンダーは彼に対応するのが難しく、結果的にファウルを引き出すことが多い。

特に、後方でブロックを固めてくる相手に対しても、クワラツヘリアは自信を持ってボールを運び続け、相手の守備ラインを引き下げる役割を果たしている。彼がボールを持ち続けることで、相手ディフェンダーは後退せざるを得ず、チーム全体が攻撃的なポジションを取ることが可能となるのだ。

精神的なタフさ

クワラツヘリアのフィジカル精神的な強さは、ロシアリーグでの経験によって培われたものである。ロシアリーグでは非常に厳しいファウルが多く、当初は彼もその対応に苦労していたが、現在では冷静にファウルに対処し、相手の攻撃を引き受けながらも自身のプレーを続けるタフな選手へと成長している。特に、相手ディフェンダーの激しいプレッシャーに耐えながらも、ボールを失わない精神的な強さは、彼の成長を象徴しているといえるだろう。

ジョージア代表でのプレー

ナポリでは、クワラツヘリアは主にウィンガーとしてプレーしているが、ジョージア代表ではより多面的な役割を担っている。彼は時には2トップの一角としてプレーし、ボールを奪い返す役割や攻撃を組み立てる役割も献身的にこなしている。またジョージア代表では、自らがボールを持ち運び、チーム全体を押し上げる役割の重要性がより高く、攻守のバランスを保つ上でのキープレーヤーとなっている。こうしたクワラツヘリアのプレーがないと、ジョージアが相手チームに押し込まれやすくなってしまうのだ。

更にクワラツヘリアは、ジョージア代表のカウンターアタックにおいても中心的な役割を果たしている。相手の攻撃をブロックした後、自らのスピードと技術を活かしてボールを運び、相手ゴールに迫る。このカウンターアタック時のプレーは、ジョージア代表にとって非常に重要であり、クワラツヘリアのボール運びがチームの攻撃の中心となっているのは確かだ。セットプレーや守備から一気に攻撃に転じる際、彼のプレーがチームの勝敗を左右することも少なくない。

ウィークポイント

今後、クワラツヘリアが改善すべき点として、プレーの安定感が挙げられるだろう。というのも、まだ彼は試合ごとのパフォーマンスの波が小さくなく、重要な局面でのプレー精度や判断力に課題が残る。特にチーム全体が低調な際に、自身の個人能力だけで試合の流れを一変させるような場面は少ない。ただしクワラツヘリアはまだまだ若いため、これから更に経験を積むことで、より完成された選手へと成長する可能性は高いだろう。

プレー動画

まとめ

クヴィチャ・クワラツヘリアは、その卓越したボールキャリー能力と仕掛けの多彩さによって、現代フットボールにおける最も危険な選手の一人と評されている。彼の的確な判断力と技術、両足を使いこなす能力、そして精神的なタフさが、クラブチームやジョージア代表における彼の活躍を支えている。彼の今後のキャリアは、さらなる成功とともに、ジョージアサッカーの未来を明るくするだろう。新天地パリ・サンジェルマンでの活躍にも大いに期待したいところだ。