オマル・マルムシュ(マーモウシュ)は、エジプト代表のサッカー選手である。現在はドイツのアイントラハト・フランクフルトに所属し、驚異的なペースで得点を積み重ねているところだ。この記事ではそんなマルムシュについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 1999/02/07 |
国籍 | エジプト |
身長 | 183cm |
ポジション | FW |
利き足 | 右 |
キャリア初期
マルムシュのキャリアはエジプトのワディ・デグラFCにて始まり、2016年にプロデビュー。そして2017年8月、ドイツのVfLヴォルフスブルクII(セカンドチーム)に移籍し、通算36試合で11ゴールを挙げるなどの活躍を見せた。その後ヴォルフスブルクのトップチームでもプレーし、2020年にはブンデスリーガデビューを果たしたが、出場機会と成長を求めてレンタル移籍を決断。FCザンクトパウリやVfBシュツットガルトへ期限付き移籍し、プレー経験を積んだ。
フランクフルトへの移籍
2023年7月、マルムシュはフランクフルトへフリーで移籍し、転機を迎えることとなる。すぐにレギュラーに定着した彼は、デビューシーズンにて公式戦41試合に出場し17ゴール・6アシストを記録。翌2024-25シーズンは開幕からゴールを量産し、いまや多くの注目と称賛を集める選手となっている。
エジプト代表キャリア
2021年10月、マルムシュはエジプトA代表でデビューし、翌年のアフリカネイションズカップでは準優勝に貢献した。フランクフルトでの活躍やエジプト代表でのプレー経験を通じて国際舞台での評価も高まってきており、代表でもモハメド・サラーの後を継ぐ将来のエース候補として期待されている。
プレースタイル
ここからは、マルムシュ(マーモウシュ)のプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼はセンターフォワードとウイング(主に左ウイング)の両方で起用可能な選手であり、その役割も単なるフィニッシャーにとどまらず、ピッチ上で様々な役割をこなす多機能型フォワードである。
打開能力
マルムシュの大きな特徴の一つとして、優れた身体能力を活かした打開能力の高さが挙げられる。第一にスピード・加速力に長けており、最高速度は35.8 km/hを記録。そのスピードを存分に活用し、裏への飛び出しやドリブルで積極的に仕掛けていく。
また、マルムシュはボディバランスも秀逸だ。身体を巧みに使えるため、俊敏なターンで一気に相手のマークを外し、前方スペースへと持ち込むといったプレーが可能。更に、ゴール前では細かいボディフェイントやキレのあるボールタッチを駆使し、相手を躱してシュートコース・パスコースを作り出す。
実際、マルムシュは2024-25シーズンの11月時点にて、1対1突破の回数や前方へのボールキャリー(ドリブルでボールを前進させること)といったスタッツで卓越した数字を記録。ブンデスリーガのフォワード全体の中でトップとなっている。また、被ファール数も一試合平均で「4回」とトップであり、これは相手ディフェンダーが彼の仕掛けに如何に手を焼いているかを示すデータといえるだろう。
得点能力
ブンデスリーガの2024-2025シーズン開幕からわずか10試合で、マルムシュは11ゴール・7アシストと見事な成績を記録。前シーズンの彼がリーグ戦29試合で12ゴール・6アシストだったことを踏まえると、まさに驚異的な数字だ。
2024-25シーズンの11月時点において、マルムシュは一試合で4.21本のシュートを放ち、内2.16本が枠内に飛んでいる(51.3%)。この枠内シュート数はブンデスリーガのフォワード全体の中でトップであり、彼のシュート精度の高さが窺えるところだ。
先述の通り、マルムシュは打開能力が高く、ゴール前のより近く・より有利な位置でシュートを放つことが可能である。キャリア当初は決定力が課題とされていたが、フランクフルトで自分に合ったスタイルを見つけ、技術だけでなく自信と冷静さを身に付けたことで、得点能力も開花したようだ。
チャンスメイク
マルムシュはシンプルに得点を狙うだけでなく、味方へのアシスト・チャンスメイクにも優れており、チームの攻撃を多面的にサポートする存在だ。前線中央でボールを収めてチャンスを作り出すだけでなく、サイドに開いて仕掛けることも可能。2024-25シーズンのリーグ戦では開幕から10試合で7アシストを挙げており、11月時点では1試合平均で2.38回のキーパス数を記録している。これもまた、同リーグのフォワード全体の中でトップの数字だ。
守備とカウンター
マルムシュは守備面での貢献度も高い。彼は攻撃時だけでなく守備時にも精力的に走り回っており、10月時点で146回のスプリントを記録。前線からの積極的なプレスによって相手のビルドアップを妨害することで、チームの守備陣を助けている。そして相手のミスを誘発し、高い位置でボールを奪った場合、相棒のウーゴ・エキティケと共に破壊力のあるカウンターを先導。打開力を活かしたスピーディーな崩しにより、瞬時に相手ディフェンスを切り裂き決定機を演出するのだ。
プレー動画
まとめ
オマル・マルムシュ(マーモウシュ)はフランクフルトの攻撃陣を支える中心選手であり、そのスピード、テクニック、得点力、そして守備面での貢献度が彼をリーグ有数のストライカーとして位置づけている。2024-25シーズン、フランクフルトが躍進を続けるにはマルムシュの貢献が不可欠であり、リーグ全体にもそのインパクトを与え続けることに期待したい。
また、もしもマルムシュが現在のパフォーマンスを維持した場合、シーズン後に多くのビッグクラブが彼の獲得に向け動くことは想像に難くない。今後の去就にも要注目だ。