マルティン・スビメンディは、正確なパスとゲームコントロールに優れ、プレーの組み立てを担うサッカー選手だ。現在はレアル・ソシエダとスペイン代表に所属し、主にピボーテとして活躍中である。この記事ではそんなスビメンディについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 1999/02/02 |
国籍 | スペイン |
身長 | 181cm |
ポジション | MF |
利き足 | 右 |
クラブキャリア
スビメンディは12歳でレアル・ソシエダのユースチームに加入し、以降クラブの下部組織でキャリアを積んだ。2016年にはレアル・ソシエダCでシニアデビューを果たし、2018年にBチームへ昇格。その年の4月にはトップチームでも初出場を果たした。2020年にはレアル・ソシエダと2025年までの契約を更新し、正式にトップチームのメンバーとなる。2022年には欧州リーグで初得点を記録し、その後ラ・リーガでも初ゴールを決めた。同年、クラブとの契約を2027年まで延長し、チャンピオンズリーグデビューも果たしている。
代表キャリア
スペイン代表としては、U-17からU-23まで各年代別チームで経験を積み、2021年にA代表デビュー。2024年にはUEFA欧州選手権に出場し、スペインの優勝に貢献した。
プレースタイル
ここからはスビメンディのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼はレアル・ソシエダのビルドアップにおいて中心的な役割を果たしており、特にプレッシャーを受けた状況でのパス供給やポゼッションの維持に優れている。
ゲームメイカーとしての資質
先述の通りスビメンディは、ポゼッションを重視するレアル・ソシエダにおいて、ビルドアップ時の中心的な役割を果たしている。彼は、特にプレッシャーを受けた状況で冷静にボールを処理し、適切なパスを供給する能力に優れている。ボールを持った際には、ワンタッチやツータッチでリズムを作り、相手のプレスをうまくかわす技術が光る。足裏を使ったボールコントロールや、角度をつけたパスでチームメイトに時間を与えるプレーは、彼の高い技術力を物語っている。
特に強豪相手の試合では、スビメンディの存在感が一層際立つ。レアル・ソシエダが押し込まれる展開でも、彼は自陣深くでボールを受け、プレッシャーをかわしながら前線にボールを供給する役割を果たす。彼のパスのレンジは広く、中央から前線へラインを突破するパスを得意としており、相手のプレスを分断する役割を担うことが多い。特にチャンピオンズリーグやレアル・マドリードとの試合など、強力な相手に対してパス成功数が増える傾向にあり、重要な局面でゲームをコントロールする能力が評価されている。
しかし、スビメンディには一部に課題も見られる。というのも自陣からのパスでは、時折簡単なミスを犯すことがあり、またロングパスやピッチ全体を横に広げるパスの精度に改善の余地がある。ここがさらに向上すれば、より多くのシーンでゲームを支配することが可能になるだろう。
守備的貢献
守備時には、スビメンディのポジショニングと判断力が光る。彼は中央エリアでの守備的な役割を忠実に果たし、相手の攻撃を食い止める能力に長けている。特に1対1の状況では、相手に正面から向き合い、タイミングの良いスタンディングタックルを決めることが多い。また、中央のスペースを効果的にカバーするため、相手のパスコースを遮断する能力も高い。ポジションを維持しながらも、相手に対して適度なプレッシャーをかけるバランス感覚というのは、守備的なポジションの中盤選手には特に求められる重要なスキルである。
ただし、スビメンディはサイドでの1対1の守備にはやや苦戦する傾向が見られる。スピードやテクニックに優れた相手ウィンガーに対しては、カバーが追いつかず、サイドバックをサポートする際に不安が生じることがあるのだ。また、空中戦では強さを見せるものの、特にフィジカルに優れた相手との対峙では、体格差が問題になる場合がある。
チャンスメイク能力
スビメンディは、2023-24シーズンに4ゴールを記録しており、特にボックス内での動きやスペースの見極めに成長が見られる。ただし、ミドルレンジからのシュートや遠距離からの得点はまだ発展途上であり、ゴール前でのフィニッシュに関して改善の余地がある。特に、逆足でのシュートの際にミスが目立つ。
また、スビメンディのパス技術は素晴らしいものがあるが、現時点では毎試合安定して「チャンスメイカー」として機能するにはまだ不十分である。彼は中盤深くから前線へキラーパスを通す能力は高く、またバイタルエリアにおいても創造的なパスを出すことができるが、後者の場面においては継続性を欠きがちだ。彼が一貫してチームに決定機をもたらすチャンスメイカーとしても成長できるかどうかという点は、今後のポイントであろう。
プレー動画
まとめ
マルティン・スビメンディは、ビルドアップ時の落ち着きや攻守におけるインテリジェンスにおいて非常に優れた選手であり、現代サッカーにおいても貴重な存在である。そんな彼に対しては複数のトップクラブが関心を寄せているが、そこではさらなる成長が求められるはずだ。彼のポテンシャルは非常に高く、特にビルドアップ時の役割においては多くのクラブにとって魅力的な選手であることは間違いない。一方で、あらゆる役割にハイレベルに順応するマルチタイプとなるには、チャンスメイク力とフィジカルの強化が重要な鍵となるだろう。