ピエロ・インカピエは、エクアドル代表のディフェンダーである。現在はドイツのバイエル・レバークーゼンに所属。その優れたパフォーマンスで高い評価を得ており、複数のクラブが彼の獲得に興味を示していると噂されているところだ。この記事ではそんなインカピエについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2002/01/09 |
国籍 | エクアドル |
身長 | 184cm |
ポジション | DF |
利き足 | 左 |
キャリア初期
2016年、インカピエはエクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェのユースチームに加入した。若手育成に定評のあるクラブの下で、インカピエも順調に成長。2020年にはトップチームに昇格、そしてプロデビューを果たした。
同年8月にはアルゼンチンのCAタジェレスに移籍。そこで1年プレーした後、ヨーロッパへと挑戦することになった。
レバークーゼンへの移籍
2021年8月、インカピエはドイツ・レバークーゼンへと加入。センターバックを主戦場としつつも、チーム事情に応じて左サイドバックなどもこなす柔軟性を見せた。
すると2023-24シーズン。序盤こそあまり出場機会を得られなかったインカピエだったが、次第に3センターバックの一角に定着。見事なパフォーマンスを披露し、チームのリーグ優勝と国内カップ優勝の二冠に貢献した。
エクアドル代表キャリア
インカピエの代表キャリアは2017年、エクアドルU-15で始まった。2019年にはU-17代表のキャプテンとして、南米U-17選手権およびFIFA U-17ワールドカップに出場。すると2021年6月、コパ・アメリカでエクアドルA代表としての初キャップを記録した。
そのままエクアドル代表の主力に定着したインカピエは、2022年のFIFAワールドカップ・カタール大会、および2021年・2024年のコパ・アメリカの計3大会で全試合に先発出場。2024年の大会では得点を挙げ、大会ベストイレブンにも選出されている。
プレースタイル
ここからは、インカピエのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼はセンターバックをメインポジションとしながらも、左サイドバックとしても機能する汎用性を有している。また、左利き特有のビルドアップ能力で高い評価を受けている選手だ。
果敢な守備スタイル
インカピエの守備スタイルは、「果敢さ」がその中心にある。2023-24シーズンにはタックル成功率が85%を記録したように、相手選手との1対1で優位に立つ場面が多い。スピードと優れた予測力を活かし、ボールの進行方向や相手選手の動きを素早く読み取り、アグレッシブに対処する能力が際立っている。特に彼のタックルは評価が高く、相手の攻撃を効果的に断ち切る手段として頻繁に用いられている。
ビルドアップ能力
インカピエの魅力として、ボール保持時の貢献も見逃せない。希少な左利きセンターバックである彼は、チームの後方からのビルドアップにおいて積極的に関与。正確なショートパスで繋ぐだけでなく、中・長距離の縦パスを駆使して一気に局面を押し進めることができる。
また、インカピエは攻め上がるプレーにも積極的だ。果敢なボールキャリーによって後方から持ち上がることで相手の守備組織を揺さぶりつつ、時にはクロス供給も行うなど、チームに多様な攻撃オプションを提供している。
キャプテンシー
インカピエは技術だけでなく、メンタル面でも優れた資質を持っている。2024年10月には、22歳にしてエクアドル代表でキャプテンマークを巻いて出場。まだ1試合だけとはいえ、そのリーダーシップはすでに高く評価されている。
またインカピエ本人の発言によると、自身がお手本にしていた選手として、スペインのレジェンドであるカルレス・プジョルとセルヒオ・ラモスの名前を挙げている。プジョルのような闘志と献身性、そしてラモスに見られた技術的な側面はインカピエにも見られており、彼のユニークなプレーヤー像の形成に大きく影響しているようだ。
ウィークポイント
インカピエのアグレッシブなスタイルは魅力的である反面、現時点では安定感を犠牲にしている側面が見受けられる。不用意な技術的ミスや判断ミスにより、裏を取られたり縦パスを引っかけてしまう場面が少なくないのだ。レバークーゼンではそうした弱点をカバーできるハイレベルな組織的構造になっているが、より大きなクラブへのステップアップを見据える上で、個人としても安定感を向上させることが求められるだろう。
また、身長が184cmとセンターバックにしてはさほど高くなく、体格が大柄ではないため、空中戦において自分より大きな相手に対して劣勢に陥る場面が見られる。
プレー動画
まとめ
ピエロ・インカピエは、アグレッシブな守備能力とビルドアップ能力を兼ね備えた現代型ディフェンダーである。その若さと才能は、クラブと代表チームにおける将来の柱となる可能性を秘めている。これから更に経験を積んでいくことで、さらに高いレベルへと進化し、世界最高クラスのディフェンダーとしての地位を確立することに期待したい。