モハメド・クドゥスは、ガーナ代表のアタッカーである。現在はイングランド・ウェストハムでプレーしており、複数のビッグクラブから関心を寄せられる注目株だ。この記事ではそんなクドゥスについて紹介していきたい。
基本情報・成績
生年月日 | 2000/08/02 |
国籍 | ガーナ |
身長 | 177cm |
ポジション | MF/FW |
利き足 | 左 |
キャリア初期
クドゥスのキャリアはガーナのRight to Dreamというクラブで始まり、2018年にデンマークのノアシェランに移籍。同クラブですぐにデビューを果たすと、2年間の在籍期間中に計57試合に出場して14ゴール・3アシストを記録した。
すると2020年7月、クドゥスはオランダのアヤックスへと活躍の場を移す。加入から2シーズンは相次ぐ負傷に悩まされたものの、2020-21シーズンにはKNVBカップおよびエールディヴィジの優勝に貢献し、国内二冠を達成。そして3シーズン目には公式戦42試合で18ゴール・7アシストを記録し、特にチャンピオンズリーグでは6試合で4ゴール・2アシストと躍動した。3シーズン在籍したアヤックスでの最終成績は、計87試合で27ゴール・12アシストとなっている。
ウェストハムへの移籍
2023年8月、クドゥスはプレミアリーグのウェストハムへと加入した。移籍金は推定4300万ユーロと高額取引になったが、彼は初年度から期待に見合う活躍を披露。公式戦48試合で18ゴール・7アシストと、奇しくも前年度のアヤックスで残したスコアポイントと同じ数字を記録した。
ガーナ代表キャリア
2019年11月、クドゥスはガーナA代表でデビューを果たす。そして2021年から代表の主力に定着し、2022年のカタールワールドカップ、2024年のアフリカネイションズカップにも出場した。チームはいずれもグループリーグで敗退となったが、クドゥス個人は両大会で2得点を記録するなど奮闘している。
プレースタイル
ここからは、クドゥスのプレースタイルについて詳しく見ていきたい。彼は持ち前の身体能力を活かしたプレーに定評があり、打開力に長けたタイプである。また複数ポジションで起用可能な点も魅力的であり、ウェストハムでは主に両ウインガーや攻撃的ミッドフィルダー(2列目アタッカー)で起用されているが、これまでセンターフォワードやセントラルミッドフィルダーでもプレーしてきている。
ドリブル能力
クドゥスのプレーにおいて最も注目すべきは、ドリブルのスキルだろう。正確なボールコントロールと加速力を活かし、相手ディフェンダーを切り裂く彼のプレーは圧巻である。特に狭いエリアでの1対1の状況でその能力は際立ち、相手のプレッシャーをものともせずに突破する場面が多い。強靭な体幹を持つため、相手との接触プレーでもバランスを崩さず、ボールを保持し続けることができるのだ。
なお、こうしたクドゥスのドリブル能力は、前線だけでなく中盤のエリアでも効果的に機能し得る。優れたボールキープ能力で相手のプレッシャーをいなしつつ、前方へと持ち運ぶプレーによって局面を打開。アヤックス在籍時代にはこのキープ能力を買われ、セントラルミッドフィルダーでも起用されていた。
優れた身体能力
先にも少し触れた通り、クドゥスはアフリカ出身選手らしい非常に優れた身体能力を持っている。スピード(加速力)とパワーを兼ね備え、特にフィジカルコンタクトにおいては並外れた強さを発揮。対戦相手が体格に勝る場合でも、彼はそのボディバランスとスピードで対抗することでボールを失わない。この特性により、幅広い役割を果たすことが可能になるのだ。
シュート能力・パス能力
左足から繰り出される強力なキックは、クドゥスの大きな武器のひとつである。特にゴール前でのシュートにおいてその精度とパワーは際立ち、ウェストハム移籍後は得点能力も向上した。
また、クドゥスは持ち前のボールキープ力や打開力を活かして味方選手にスペースを提供し、そこへパスを通す形でチャンスを演出することもできる。ただし、パスの精度に関しては改善の余地がありそうだ。
守備貢献
攻撃だけでなく、守備面でもクドゥスは優れた能力を発揮する。特にチームのハイプレス時には、相手ディフェンスラインへのプレッシャーを積極的に担当。またプレッシングの際の戦術的な理解度も高いようで、相手のパスコースを誘導する動きや、ボール奪取を狙ったチャレンジも見られる。このように、攻守両面でのプレーが彼の評価を高める要因となっているのだ。
改善の余地
先述の通り、クドゥスは中盤でも相手のプレッシャーをいなし、局面を打開する技術的特徴を備えている。ただし、そうした特徴をフルに活かすためには、試合のテンポをコントロールし、攻撃の組み立てを主導するゲームメイク能力を磨いていく必要があるだろう。また、その一環としてプレーの選択肢や方向性に制限をかけないよう、右足の使い方も洗練させていきたいところだ。
プレー動画
まとめ
モハメド・クドゥスは、テクニカルな才能とフィジカル能力を兼ね備えた魅力的な選手である。ドリブルによる積極的な打開はすでにプレミアでも脅威となっており、攻撃面での貢献度が高い。一方で、ゲームメイク能力や右足でのプレーなど、改善の余地はまだまだ残されているだろう。それらの弱点を克服することで、彼はあらゆる役割・ポジションでハイレベルに機能するワールドクラスの選手へと成長する可能性を秘めている。